バニラエア搭乗記――前身のエアアジア・ジャパンと何が変わった?:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/3 ページ)
2013年12月20日、日本にまた新しいLCCが誕生した。同年10月で運航を終了したエアアジア・ジャパンの後を受け「リゾートLCC」として生まれ変わったバニラエアだ。その“変身ぶり”を探るため、成田から那覇へのフライトを体験した。
2013年12月20日に就航した新しいLCC、バニラエアが順調にファンを獲得している。成田を拠点に、まずは沖縄(那覇)と台北(桃園)の2路線で運航を開始し、12月31日までの搭乗率は94.1%を達成。札幌(新千歳線)が加わった2014年1月も搭乗率は91.6%と順調に推移し、4路線目となる3月1日就航のソウル(仁川)線はほぼ満席での初便スタートとなった。
バニラエアの前身は、2013年10月で運航を終了したエアアジア・ジャパンである。「リゾートLCC」として新たなスタートを切ったバニラエアは、エアアジア・ジャパンとどう変わったのか? その“変身ぶり”を探るため、新造のエアバスA320で成田から那覇へのフライトを体験してみた。
青と黄色のカウンターが真正面に
私が利用したのは、成田を朝6時45分に発つJW801便だ。東京駅を4時10分に出発する格安バスで、成田空港第2ビルのLCCターミナルへ向かう。ターミナルビルに入ると、真正面にバニラエアの青と黄色のカウンターが見えてきた。
「初めて利用する人たちにより分かりやすく──という配慮から、カウンターの位置を変えてもらったんですよ」
出迎えてくれた同社の広報担当が、そう説明する。なるほど。京成線やJRで到着した場合も、地下の駅からエスカレーターで上がってくると、否が応でも正面にカウンターが目に入る。これなら初めて利用する人でも迷う心配はない。こんな小さなところにも“過去の反省”がしっかりと生かされているようだ。
「エアアジア・ジャパン時代の1年半の経験をふまえて、新しい会社では何をやりたいかを社員全員で話し合ってきました。そうして立ち上げたのが、バニラエアです」と広報担当は続ける。「その意味では、ゼロから始めた会社ではなく、エアアジア・ジャパン時代の経験の上に成り立っている会社と言っていいかもしれません」
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