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敷地面積1万3600ヘクタール、全米一の規模を誇るデンバー国際空港:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)
その広大さに、ただただ圧倒されるばかりだった。全米一の規模を誇るデンバー国際空港。米国のほぼ中央に位置するという地の利を生かし、今後も間違いなく世界の空の要衝として大きな発展を遂げるであろう同空港を、関係者の案内のもとに歩いてみた。
標高1マイルでも大型機がラクラク離陸
これまで「世界一忙しい」と言われてきたのが、米国ジョージア州のアトランタ国際空港だ(参照記事「世界一忙しい空港からの報告」)。同空港が有する滑走路は計5本。デンバー国際空港はそれより多い6本で運営している。コールさんが言うようにいずれ12本の滑走路供用がスタートすれば、年間で1億1000万人の利用者への対応が可能になり、アトランタ国際空港の年間利用者数9500万人(2012年)を抜いて世界ナンバー1に躍り出る。
6本ある滑走路のうち、5本は長さが3658メートル。残る1本(16R/34L)は4877メートルあるというのも驚きだ。
「デンバーは“マイル・ハイ・シティ”と呼ばれ、標高が1マイル(1600メートル)の土地にあります」とコールさん。「乗客や燃料を満載した大型機が空気の密度が薄くなる夏季でも楽々離陸できるよう、この長さの滑走路が整備されました」
まさに完璧なまでのスケールである。しかもその6本の滑走路が交差することなく、広大な敷地内にゆったり配置されている。複数の旅客機が同時に飛び立っていく光景は、圧巻だ。
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