ボーイング787の快適さはやはり別格──ユナイテッド航空、成田/デンバー線で実感:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/3 ページ)
トラブル続きで一時期は利用を敬遠する旅行者も出ていたボーイング787だが、その快適さはやはり別格! 2013年6月に開設されたユナイテッド航空の成田/デンバー線で、異次元のフライトを体験した。
トラブル続きで一時期は利用を敬遠する旅行者も出ていたボーイング787だが、米連邦航空局(FAA)とボーイングは2014年3月19日、共同で実施していた787主要システムに関する広範な調査で「安全性を満たしている」との結果を発表した。「早く安心して乗れるようになってほしい」というファンの声も多いだけに、これで落ち着いてほしいと私も願っている。
そんな787でのロングフライトを最近、体験してきた。2013年6月に、アジアで初めてユナイテッド航空が開設した米コロラド州デンバーへの直行便だ。機内に足を踏み入れた瞬間、これまでの旅客機とはまったく異なる空間が出現した(写真撮影:倉谷清文)。
窓ワクが縦方向に伸びて視界が広く
787のキャビンに入って最初に気付くのが、窓の大きさだ。従来のアルミ合金に代わってボディ構造に採用された炭素繊維複合材は、強度が高く、壊れにくい。大きな1枚板でボディを構成できるため、継ぎ目を少なくし、キャビンの窓を従来機の1.3倍にまで拡大することに成功した。
「窓ワクが縦方向に伸びて、視界がぐんと広がりましたね。これなら通路側のシートからでも外の景色が楽しめます」
機内撮影のために通路側に席をとった同行の写真家・倉谷清文氏が、私のとなりで満足そうにうなずく。彼は横から手を伸ばして、窓の下のスイッチを押した。すると、透明だった窓ガラスが半透明に変化し、最後は光をシャットアウトして外の景色がうっすら確認できる程度の暗さに──。窓のシェードの代わりにエレクトロクロミズム技術を駆使した電子カーテンを採用し、外から差し込む光量を5段階で調節できるようにしているのだ。
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