敷地面積1万3600ヘクタール、全米一の規模を誇るデンバー国際空港:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)
その広大さに、ただただ圧倒されるばかりだった。全米一の規模を誇るデンバー国際空港。米国のほぼ中央に位置するという地の利を生かし、今後も間違いなく世界の空の要衝として大きな発展を遂げるであろう同空港を、関係者の案内のもとに歩いてみた。
広大な敷地に計12本まで滑走路を増設
現在のデンバー国際空港が誕生したのは1995年2月。開港してまだ10年にも満たない。
「もともとはロッキー山脈のふもと近くに空港があったんですよ」と、コールさんが説明する。「しかし以前の空港は地理的に風の影響を受けやすかったことから、現在の新しい空港が建設されました」
長方形の地形のほぼ中央にロッキー山脈が縦断するコロラド州。州都デンバーはそのすぐ東側に位置し、旧空港も山のふもとに広がっていた。西からの風がロッキー山脈に突き当たると、空気が上昇して雲をつくる。旧空港ではそこからときおり強風が吹き下ろし、航空機の発着がとても難しい空港の1つと言われていた。そこで1995年、ふもとから東に約30キロ離れた現在の地点に新しい国際空港が建設されたのである。
空港移転はもちろん、風の影響を排除することだけが目的だったわけではない。将来の旅客需要の伸びを考慮し、より広い土地を求めて移設場所が決まった。コールさんは説明を続ける。
「利用者数は年々増え続け、2012年は年間で5320万人がデンバー空港から国内外へ飛び立ちました。海外からの新路線も開設され、またデンバーは米国のほぼ中央部に位置することから、各地への乗り継ぎポイントとして今後も大きな需要増が見込まれます。現在は6本の滑走路を供用していますが、敷地内にはあと6本──計12本まで増設できるよう設計されているんですよ」
関連記事
- ボーイング787の快適さはやはり別格──ユナイテッド航空、成田/デンバー線で実感
トラブル続きで一時期は利用を敬遠する旅行者も出ていたボーイング787だが、その快適さはやはり別格! 2013年6月に開設されたユナイテッド航空の成田/デンバー線で、異次元のフライトを体験した。 - よく聞く「ハブ空港」って何?
2011年12月からスタートし、空の旅を続けながら読者のさまざまな質問に答えてきた「旅客機と空港のQ&Aシリーズ」。到着したロンドンから送る最終回は、空港でふと疑問に思う4つの話題にスポットを当てる。 - 空港で旅客機を誘導する「マーシャラー」という仕事
国内でも海外でも、このところローカルな空港に降り立つ機会が多い。着陸後、駐機スポットに向けて地上走行する機内の窓からつい見とれてしまうのが、マーシャラーと呼ばれる人たちの仕事ぶりだ。今回はそのマーシャラーの仕事について──。 - 世界一忙しい空港からの報告
1日の平均乗降者数が25万人以上、発着する旅客便は計2600便にも達し、まさに“世界一忙しい空港”と言われるまでに成長を遂げたアトランタ国際空港。デルタ航空最大のハブ拠点である同空港に2012年5月、新しい国際線ターミナルがオープンした。 - 「秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.