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活況“電アシ”自転車市場、次の一手──ヤマハの新「スポーティPAS」に乗ってみた:目指すは「ファミリー全員PAS」(1/3 ページ)
「電動アシスト自転車」が好調だ。市場拡大をにらみ、メーカーは従来のママチャリタイプ以外のラインアップ拡充や施策も積極的にアピールし始めている。その活動の一環となる車種「スポーティPAS」に乗ってみた。
「電動アシスト自転車」が売れている。自転車産業協会の自転車生産動態・輸出入統計によると、約900万台規模となる国内向け自転車市場(生産数量と輸入数量の合計値)はここ数年やや減少している中で、電動アシスト自転車のカテゴリは2000年度(約15万台)より年率約8%で堅調に伸びている。2014年度は約50万台規模(生産数量)まで成長するとみられている。
国内自転車市場がやや下がりつつある中、高額・高付加価値カテゴリの「電動アシスト自転車」市場は年率約8%で伸長。「2014年は特に好調。5月期は前年同月比で20%増だった。主婦層から、自転車ブーム、さらに通勤、通学、趣味など、電動アシスト車の需要が広がってきているのも追い風」(ヤマハ発動機PAS営業企画グループの石井謙司グループリーダー)
国内の電動アシスト自転車は、ヤマハ発動機、ブリヂストン、パナソニックの3社で9割以上を占めるという(*)。2008年12月の「電動アシスト比率の規制緩和」、東日本大震災や健康ブーム、ガソリン価格の高騰など、自転車の有用性が見直されていることを背景に、シニア層や子育てママ層の高い需要に加え、高校生(通学)、通勤男性、独身女性、ミドル主婦といった層にも需要が広がっている。
(*ただし、統計数値として算出される自転車産業協会の統計のみの場合。統計未記録の海外メーカーなどを含むと、市場規模はより大きいと想定される)
市場拡大のカギは、新規層獲得に向けた製品の拡充と年齢層別ニーズのカバー。自転車ブームの背景にはレーサータイプなどの趣味性の強いカテゴリの存在もあり、この層には電動アシストを不要とする意識はある。一方、そこまで本格的ではない、実用と徹底趣味の合間となる街乗りプラスαの用途はどうか。「通勤通学」「レジャー」の需要を満たす電動アシスト製品は意外となかった。ここに商機を見いだし、この層に向けた製品の拡充を各メーカーが取り組み始めている。
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