iPhoneとつながるスマートウオッチ、GPS+電波――カシオはなぜ「アナログ」に力を入れるのか:「スマートウオッチ」って何だろう(1/3 ページ)
10万円のアナログG-SHOCK「GPW-1000」が売れている。デジタルのイメージが強いカシオの腕時計だが、最近のハイエンドモデルはアナログウオッチが主流。その理由はなぜなのか、最新モデルからひもといていこう。
9月3〜4日、カシオ計算機は腕時計2014秋冬モデルの発表会を開催。3日には、同社取締役で時計事業部長の増田裕一氏がスピーチを行った。
カシオの腕時計ブランドといえば、まずG-SHOCKが頭に浮かぶ人が多いだろう。そしてG-SHOCKといえば、デジタル表示の文字盤に樹脂バンド、というイメージが強いのではないだろうか。しかしここ数年のG-SHOCKのハイエンドモデルはほとんどがアナログウオッチだ。G-SHOCKだけでなく、OCEANUS、EDIFICE、PROTREKといった他の男性用腕時計ブランドでも、フラッグシップモデルはほとんどがアナログモデルである。
増田氏は「2014年、カシオはメタルアナログ市場に本格的に打って出る」と話す。その主役は2モデルある。一つはiPhoneとつながるクロノグラフ、EDIFICE「EQB-500」(参考記事)、そしてもう一つはフルメタル電波ソーラーのOCEANUS「OCW-G1000」(参考記事)だ。
スマートフォンとつながるクロノグラフ「EDIFICE EQB-500」
アップルがApple Watchを発表したこともあって、スマートウオッチに注目が集まっているが、カシオの作るスマートウオッチはどのような姿なのだろうか。
増田氏は以前から、AppleWatchのような、世間で「スマートウオッチ」と言われているデバイスは「リストデバイス」と呼ぶべき、という意見だ(参照記事)。「カシオが作っているのは『リストウオッチ』であって、リストデバイスとは違う。リストデバイスとは、活動量や心拍数を計るなど、何らかの目的があって使うものなので、使うときだけ身につければいいし、そのたびに充電するのでも仕方がない。しかしリストウオッチとは、常に身につけていられるもの、ファッショナブルなもの。持ち主が煩わしいと感じるほど頻繁に充電が必要では、リストウオッチとは呼べない」
こうした考えのもと、今回発表されたリストウオッチが、iPhoneやAndroidスマホとつながるクロノグラフ、EDIFICEブランドの「EQB-500」だ。一見、ごく普通のメタルケースのクロノグラフに見える。
ポイントは、左下にあるBluetoothリンク専用ボタン。Bluetoothのマークが付いたボタンを押すと、あらかじめ「CASIO Watch+」アプリをインストールしておいたスマートフォン(AndroidはAndroid 4.3以降でBluetooth Smartに対応する機種、iPhoneはiOS 7以上のiPhone 5s, iPhone 5c, iPhone 5,iPhone 4s)とリンクする。
これまでもスマートフォンと連携するG-SHOCK(参照記事)や、iPhoneと連携するフィットネスウオッチ(参照記事)は出しているが、いずれもデジタルウオッチだった。アナログモデルでスマートフォンに連携する腕時計は、カシオでは「EQB-500」が初めてだ。
EQB-500がスマートフォンと連携して使える機能は、自動時刻修正や時計の各種設定、ストップウオッチのデータ転送機能、メール確認、スマートフォン探索機能など。スマートフォン連携というと、メールの確認などに注目しがちだが、実は海外に行ったときの時刻修正や、時計の各種設定など、これまでは時計単体で行えるが煩雑な作業が必要だったことのメリットを感じられるという。
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