iPhoneとつながるスマートウオッチ、GPS+電波――カシオはなぜ「アナログ」に力を入れるのか:「スマートウオッチ」って何だろう(2/3 ページ)
10万円のアナログG-SHOCK「GPW-1000」が売れている。デジタルのイメージが強いカシオの腕時計だが、最近のハイエンドモデルはアナログウオッチが主流。その理由はなぜなのか、最新モデルからひもといていこう。
GPS+電波時計のハイブリッド、OCEANUS「OCW-G1000」
フルメタル電波ソーラーウオッチの「OCW-G1000」は、GPS電波と標準電波のどちらでも時刻を取得できるシステムを内蔵した最新のOCEANUSだ。地球上どこにいてもワンタッチ、最短7秒で正確な時刻に修正できる(サマータイムにも対応)。また、2都市の時刻を一目で確認できるデュアルダイヤルワールドタイムも備え、海外へよく行く人向けにワールドタイム機能の使い勝手を高めている。
GPS+標準電波の時刻合わせができるアナログ時計、ということでは、すでに「G-SHOCK GPW-1000」(参照記事)を発売しており、OCW-G1000はこのOCEANUS版ということになる。
OCW-G1000は、GPW-1000と同じベースモジュールを使っているが(GPSチップはソニーとの共同開発、参考記事)、OCEANUSは樹脂ではなくメタルケースなので、電波が干渉しやすいために工夫が必要だったという。具体的には、GPS用アンテナを新たに開発。また、ソーラーセルを改善し、標準電波用のアンテナとGPS用のアンテナの位置を最適化し、中央部分に超小型モジュールを配置することによって、受信感度とデザイン性を両立した。
増田氏によれば、G-SHOCK GPW-1000は10万円(以下すべて税抜)という価格ながら、当初予想の1.5倍も売れたという。OCW-G1000は20万円とOCEANUSの中でもハイエンドの価格設定だが、「国内市場をメインターゲットとし、プレミアム価格で拡大していく」という考えだ。
一方、「EDIFICE EQB-500」は4万円。「全世界で展開していく商品なので、価格も普及価格帯にした。スマートフォンの出荷台数は腕時計よりもずっと大きいのだから、この価格帯ならば、もっと広げられる」と増田氏は自信を見せる。
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