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2004/02/16 00:00:00 更新


製品開発のプロジェクトマネジメント:連載開始にあたって

DSM(Design Structure Matrix)を用いた、製品開発のプロジェクトプランニング手法を紹介する前に、適切な計画をなぜ建てることができないのかに触れておきたい。

製品開発の期間短縮

 市場の変化するスピードが加速している。消費者の声を吸い上げ、それに応える製品を開発して、いざそれを市場に投入する時には、もはや彼らの嗜好は変わっているかもしれない。従って、市場のニーズに応える製品を投入するまでの期間が短ければ短いほど、製品の価値は高いと言える。また、同じカテゴリに属する製品を、他社よりも早く市場に投入することも重要である。他社に先駆けて新製品を投入しブランドを築いていくことは、重要なマーケティング戦略の1つである。これらのことから言えるのは、製品開発期間を短縮することは大きな経営課題の1つである、ということだ。

製品開発のプロジェクトプランニング

 一般的に新製品の開発はプロジェクトとして進められる。プロジェクトとは、「制限されたリソースで、一定の期間内に、明確に定められた目標を達成するために行われる活動」のことである。プロジェクトを有効に管理して目標を効率的に達成できるようにと、これまで多くのプロジェクトマネジメント手法が紹介されてきた。しかし、それらの手法を用いて製品開発の期間短縮に成功した例はほとんどない。その大きな理由の1つに、プロジェクトのプランニングが不適切、という点が挙げられる。計画が不適切であるから、プロジェクトが少し進むとすぐに計画が変更される。長期にわたるプロジェクトなのに今日も日程表がキレイなのは、最近もまた計画が作り直されたからなのだ。あまりにも頻繁に計画が変更されると、「計画なんてあってないようなもの」とあきらめてしまうことさえある。そうなってしまっては、プロジェクトをうまくマネジメントするなど到底できることではない。

計画的な試行錯誤

 ではなぜ適切な計画を立てられないのだろうか? その理由の1つは、製品開発における「試行錯誤」がプランニングの際に考慮されていないからである。製品開発プロジェクトには、あなたが決めなければ私も決められない、といった「相互依存的」なタスクが多く含まれる。これらを処理するには、試行錯誤が必要だ。これが計画に盛り込まれていないと、試行錯誤が繰り返されるたびに計画を変更しなければならなくなる。

 試行錯誤をプランニングするということは、「情報の流れ」に着目する、ということでもある。なぜなら、タスク間の相互依存的関係を作っているのは、情報の流れだからだ。製品開発のプロジェクトプランニングでは、情報の流れに着目することも重要だ。

革新的なプロジェクトプランニング手法

 本連載では、DSM(Design Structure Matrix)を用いた、製品開発のプロジェクトプランニング手法を紹介していく。DSMとは、「情報の流れ」とタスクの「繰り返し」に着目して、プロジェクトのプロセスを分析し最適化するためのツールである。このツールを用いることで、重要な繰り返しを計画的に行い、回避すべき繰り返し(やり直し)を未然に防ぐといったプランニングが可能となる。

 ここで、「プロジェクト」と「プロセス」の言葉の使い分けについて触れておこう。「プロジェクト」の定義は前述の通りである。一方の「プロセス」は、「プロジェクトにおいて「タスク」(=作業単位)を連鎖的に実施する方法」という意味で用いる。つまり、プロセスはプロジェクトの管理対象の一部ではあるが、プロジェクトの管理対象はプロセスだけではない。

 本連載では、まず、DSMでプロセスを表記する方法を説明し、DSMの概要を紹介する。次に、DSMによるプロセスの分析手法を説明していく。分析を支援するソフトウェアについても触れる。さらに組織や製品構成などへの発展的な適用方法や、実際の適用事例などを紹介していく予定だ。

iTiDコンサルティング
2001年、電通国際情報サービスと米ITIの合弁会社として設立。 両社の特長を受け継ぎ、「製品開発の“品質”にフォーカスをあて、その抜本的な改革を支援する」ことを事業コンセプトに、わが国初の開発生産性定量指標『iTiD INDEX』の開発や独自の『ワークストリーム』の導入など、独創的な手法で製品開発プロセスの抜本的な改革を支援している。

著者

水上博之
電通国際情報サービスでCAD/CAM/CAEシステムの導入支援などに従事した後、2001年より現職。主にメカニカルエンジニアリング領域における設計業務改革のコンサルティング活動に携わっている。

[水上博之,iTiDコンサルティング]

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