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2004/02/18 20:23:00 更新
2007年までにRFID統合サービスの収益がRFID機器の収益を超える
アライドビジネスインテリジェンスによると、2007年までにRFID統合による収益はRFID製品の収益を超えると見られている。
アライドビジネスインテリジェンスの新刊レポート「RFID統合サービス: リーダー、ソフトウエア、システム、ソリューションの統合のニーズ」では、ネットワークで結ばれた企業規模のRFIDソリューションを追求するうえでの問題と、それらの問題を解決するために企業がいかにRFID製品とサービスを開発しているかについて分析されている。
サプライチェーンのRFIDタグ、リーダー、ソフトおよび電子製品コード(EPC)は、大規模な小売業者の要請に従い、即時に対応を迫られるため、複雑化するソリューションをまとめることがますます困難になる。大規模なハードウェアやソフトウェアを導入するには、リーダーやソフト、そしてシステム統合サービスへの多額の投資が必要になる。
これまで、RFIDの統合が重要視されたことはあまりなかったが、状況は急変し、一般消費財(CPG)や小売業者のRFID統合に向けた人員確保の必要性が今後5年間で急増すると思われる。アライドビジネスインテリジェンスによると、2007年までにRFID統合による収益はRFID製品の収益を超えると見られている。
RFIDの全面的な普及は、Wal-Mart、Metro AG、および国防総省(DoD)が2005年までにRFID技術の導入を予定している、初期段階のソリューションが発展したものとなるだろう。これらのシステムがさらにイベントやワークフロー管理にまで拡大されると、RFIDソリューションを従来のITやロジスティックスのソリューションに適合させていく必要がある。
Catalyst International、Manhattan Associates、ProviaおよびRedPrairieを含むWarehouse management software(WMS)やsupply chain execution(SCE)ベンダーは、積極的にロジスティックスソリューションを拡大し、RFIDを組み込んでいる。アライドビジネスインテリジェンスの報告によれば、企業向けソフトウェアおよびシステム会社の大手である、IBM、Oracle、SAPおよびSunも同様に、既存のサービスにRFIDを構築している。
RFIDを既存のITやロジスティックスのインフラに組み込めば、複数のビジネスのプロセスや分野が影響を受ける。アライドビジネスインテリジェンス社の上級アナリストであるエリック氏は、「より広範なRFIDソリューションは、Wall-MartやTescoの過剰な在庫を管理することだけが目的ではない。消費者から卸売店、そして企業のITシステムに至るまで、目に見えるかたちでリアルタイムに商品を追跡するという目的もある」と述べている。
既存の企業システムを移行するには必ず、アーキテクチャの構図、システムプログラミング、テスティングおよび企業規模の変革管理が必要となる。この分野を熟知しているAccenture、BearingPoint、Cap Gemini Ernst & Young、IBM、そしてUnisys等の企業はRFIDへの関心を高めている。
「だが、2006年までに10億ドルを超える、RFIDサプライチェーン統合市場を支える人材を確保するには時間がかかる」(エリック氏)
これまで、CPGサプライヤは巨額の投資を行い、RFIDについての理解を深め、RFIDをITとロジスティックス戦略に統合するべきか見極めようとしてきた。CPGサプライヤは時間をかけてRFIDソリューションを統一し、自社のサプライチェーンとロジスティックスにおけるすべてのプロセス、ロジスティックスに向けた実行可能な戦略の探求、マーケティング、そして情報技術のための人員配置すべてにおいてRFID統合による利益を受けるだろう。
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データリソース
[西尾泰三,ITmedia]
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