無線LAN+IP化でオフィスの面積は20%削減できる〜コクヨ(1/2 ページ)

社内インフラを徹底的に無線LAN&IP化。VPNで、自宅でも喫茶店でも自由に仕事──社員の人数が10%増えたにも関わらず、フロア面積を20%削減したという。

» 2004年11月19日 23時42分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 会社に行ったら、自分の座席があるのは当たり前──そんな「当たり前」ではないオフィスの一つがコクヨの霞ヶ関オフィスだ。11月19日にNTTコムウェアが開催したセミナーで、コクヨビジネスサービスの松崎隆氏は、霞ヶ関オフィス移転時のVoIP+無線LAN導入事例を披露した。

 コクヨ霞ヶ関オフィスには430名が在籍しており、床面積は約2600平方メートル。オフィス移転に伴い、社員の固定席を撤去、“ノンテリトリアルオフィス”を実現した。席は社内の各所にあるが、どこでも自由に利用してよい。オフィス家具はすべてキャスター付きのものに変更し、自由にレイアウトできるようにした。

 電話は無線IP電話にし、社員は全員無線LAN機能内蔵のPCを使用。無線LAN+IP化により、移転前より社員が10%増えたにもかかわらず、フロア面積は20%減った。組織変更に伴い、年に2〜3回行われていたレイアウト変更に際しても、かかるコストが3分の1に減ったという。

あらゆるインフラを無線化

 導入した電話は、携帯がネットツーコムの「SIP-Wi600」を280台、固定電話が鳥取三洋「SIP-2000」を100台。SIP-2000にはNECの無線LANアダプタ「Aterm WL54TE」を接続し、固定電話も無線化した。

 外回りが多い営業職には無線LAN機能内蔵のノートPC250台を支給し、内勤者が使うデスクトップPC100台には、IEEE 802.11a/b/g対応のPCI無線LANカードを増設して無線化した。

 プリンタ12台、液晶プロジェクタ12台にも無線LANアダプタをつないで無線化。唯一無線化ができなかったのがFAX17台だったが、IPアドレス変換装置をつないでIP化した。

 離席中にかかってきた電話は携帯IP電話に転送することで「折り返しかけさせます」という常套のやりとりがかなり減った。会議の資料も紙にプリントせず、ファイルサーバなどに置いて共有する。

 会社へはVPNを介して接続できるので、自宅でも喫茶店でも、どこで仕事をしても構わない。PCがインターネットにつながっている状態なら、ソフトフォンで内線電話を取れるので、自分がどこにいるのかを相手に意識させずに仕事ができる。

 在籍確認と社員同士のコミュニケーションには、サーバ版のWindows Messengerである“Live Communications Server”を導入している。基本的に「オンラインならその人は仕事中」という認識で運用しているという。

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