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» 2006年11月02日 21時53分 UPDATE

シゴトハック研究所:前倒し仕事術(2)──「先送りをしない自分」に生まれ変われるか

どうすれば「先送りをしない自分」に生まれ変われるかを日々模索するタカフミ君。さまざまな先送り回避テクニックが戦闘の仕方を指すとしたら、それ以前の段階にもいろいろと工夫の余地があるんじゃないか、と説かれます。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

  • 「前倒し仕事術」を習慣化するには?

前々回、「先送リピーター」の烙印を押されてしまったタカフミ君ですが、その汚名を返上すべく、現状の仕事の進め方を振り返りながら、どうすれば「先送りをしない自分」に生まれ変われるかを日々模索しています。


タカフミ君 えーとこのタスクはもうちょっと具体的な作業が分かるような名前にして、と。

ヒロシ主任 お、先送りピーターだ! また先送りしてるの?

ks19wa.jpg イラスト:ふじたきりん

タカフミ君 (ムカッ)違いますよっ! タスクの名前をビジュアルが浮かぶようなものに変えて、手を付けやすくしてるんです!

ヒロシ主任 え? タスクがビジュアル系?

タカフミ君 いやいや、ビジュアル系じゃないです。えーと、例えば「C社向け販売支援提案書作成」ってだけ書いてあるよりも「4枚のスライドにまとめる」なんていう補足説明が付いてたら、タスクリストを見たときにすぐにイメージがわくじゃないですか。そうすると、すぐに手が付けられるってわけです。

ヒロシ主任 あぁ、なるほどねー。でも、その名前を変える作業自体もけっこう時間がかかりそうな気がするなぁ。それよりさっさと始めちゃった方が早かったりして。

ノリオ課長 うん、確かにそういう場合もあるね。

タカフミ君 あ、課長。おつかれさまです。

ノリオ課長 段取りをあれこれ決めているうちに「今やっちゃった方が早いのでは?」という誘惑は確かにある。でも、それで実際に取りかかってみたら意外と手の掛かる作業だったりすると「乗りかかった船だし」という後戻りできない状況に陥るわけだ。

ヒロシ主任 あぁ、ありますねー。思いつくままに仕事を進めていると、「ついでだから」とか言ってどんどん作業が横道に逸れていくんですよね。いちおう仕事は進んではいるんですが、しばらくすると「あれ、何で今これをやっているだっけ?」みたいに我に返って、あっという間に1時間や2時間は過ぎちゃうんです。

タカフミ君 使途不明時間問題ですね。

ノリオ課長 いかにも。ただ、本当にそれこそメール3行書いて送るだけということなら、ササっとやってしまった方がいい場合もある。

タカフミ君 その見極めが難しいんですよね。3行のつもりで書き始めたら、その相手にお願いしている別の仕事のことを思い出して、「あれはどうなっていたっけなー」と過去のやり取りを調べ始めたりすると、すぐに15分くらい経っちゃうんです。

ノリオ課長 そこはぐっとこらえないと。その別件についてはタスクリストに書き留めておいて、とにかく当初の3行だけを相手に送ることに集中すること。メールを受け取る側にとっても、内容豊富なメールは負担になるだろう。

タカフミ君 あぁ、確かに。チャットみたいに聞きたいことだけが書かれたメールのほうが返信しやすいですよね。あれもこれも答えないといけないとなると、つい先送りしたくなります。

ノリオ課長 自分が動きやすくなるためには、相手にも動きやすくなってもらわないとね。

タカフミ君 なるほどです。「メールは要件のみ短めに書く」というのはテクニックですね。

ノリオ課長 まぁ、そうだね。ただ、テクニックも大事だけど、もう少し大きなくくりで捉えたいな。

ヒロシ主任 と、おっしゃいますと?

ノリオ課長 「先送りを防ぐ」とか「前倒し仕事術」というのは、戦争で言えばどんな武器でどう戦うかということだと思うんだよね。もちろん、勝つためにはそれも必要なことなんだけど、それよりもう一歩引いて、そもそも戦いに持ち込まないようにするにはどうすればいいか、とか、それが避けられないなら自分が有利な形で布陣できるようにするとか、戦闘以前の段階にもいろいろと工夫の余地があるんじゃないか、ということなんだ。

タカフミ君 なんかシミュレーションゲームみたいですね。ゲームでも、戦いに持ち込むまでに既に勝負がついていることってありますからね。絶対に勝てる形にした上で悠々と攻め込むとか。

ノリオ課長 その通り。そのためには、戦争の準備である段取りが要になるし、それ以前に日頃からの習慣がモノをいうわけだ。

ヒロシ主任 なるほど! 戦局を見極めるってヤツですね。

ノリオ課長 そうそう。そういう意味では、今タカフミ君が取り組んでいる「先送りをやっつける」というテーマは、全体から見たら一部に過ぎない。極端な話、「先送り」を克服できなかったとしても、全体として効率よく仕事を進めることができるようになったり、前倒しで仕事に取り組めるようになれれば問題ないわけだ。

タカフミ君 あー、それを聞いてちょっと楽になりました。

ノリオ課長 大切なことは、先送りをしないようにするための体制を作ること。そのためにはテクニックというより習慣として定着させてしまうことだな。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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