ひとくちにToDoリストといっても、使い方はさまざま。今回はシーン別に各種ToDoリストをご紹介する。文末には国内外のサービスやソフトを厳選したリストも掲載した。
前回、Outlookを例にToDoリストの活用法をご紹介しました。
ただ、OutlookのようなPIMソフトといわれる個人情報管理ソフトにおいては、メールやアドレス帳などの機能が中心に開発されている場合が多く、ToDoリストはおまけ的な扱いです。実際には「使いづらい」というケースも少なくありません。
ちょっとしたメモ程度であればツールにこだわらなくてもいいかもしれません。しかし、複数のプロジェクトに参加していたり、プライベートから仕事まで幅広い作業を整理して管理したい時には、使い勝手の悪いツールだと作業の管理が破綻しやすくなるものです。
そこで今回は、ToDoリストを中心に仕事をこなす時に便利なツールを、ケース別にご紹介していきたいと思います。なお、いずれのツールも無料で利用できます。
国内で有名なオンラインToDoリストといえば、まずなんといってもこの「check*pad」でしょう。開発した田口氏は、本誌のGTD連載も担当しているほど、国内のGTDエバンジェリストとしても有名ですから、check*padにもGTDのノウハウがいろいろと反映されています。
check*padの特徴は、何といってもサイトでも強調されているようにシンプルで直感的な操作が可能な点。手軽にやるべきことのリストを作成して、チェックボックスにチェックしてどんどんと終了させていくというチェックリスト形式でのToDoリスト管理が実施できます。
また、Outlookのようなクライアントソフトと異なり、携帯電話からもほとんどの機能を利用できるのも特徴です。PCや手帳に慣れていると、携帯電話では入力や表示画面のサイズが心もとないかもしれませんが、簡単なやるべきことの件名だけであれば、意外に携帯電話からでも手軽に入力・管理ができます。
シンプルということにこだわって開発されているcheck*padに対して、とにかく機能盛りだくさんのツールを使いたいという人にお勧めなのが「Remember The Milk」です。Remember The Milkはオーストラリアのベンチャー企業が開発したタスク管理サービスですが、すでに日本語版が提供されています(7月10日の記事参照)。
Remember The Milkの特徴は、多様な機能があるところでしょう。やるべきことを件名でリスト化できるだけでなく、期日の設定から作業の予測時間、関連URLやGoogle Mapsと連携した場所指定機能なんてものまであります。
もちろん携帯電話にも対応していますし、さらにはGoogle Personalized HomepageにガジェットとしてToDoリストを出力できたり、RSSやiCal形式でデータを出力できたりと、まぁとにかくいろんな機能が盛りだくさん。
「牛乳を買うのを忘れないように」というサービス名からは想像もつかないほど、多様な使い方ができるサービスになっています。慣れるまでちょっと戸惑うかもしれませんが、苦労する甲斐のある便利なサービスといえるでしょう。
上記2つはオンラインサービスですから、当然データはサービス提供者側のサーバに預けることになります。ToDoのデータは自分のPCに保管していつでも活用したいという人にお勧めしたいのは、「アリエル・マルチスケジューラ」です(手前味噌ですが、私も製品企画に参加しています)。
クライアントソフトをPCにインストールしなければならない点がデメリットですが、PCがオフラインになってもデータを表示・編集することは利点です。
また、マルチスケジューラのToDo機能は、プロジェクト管理ソフトである「プロジェクトA」の機能が流用されていますので、作業時間の見積と実績入力やグラフ表示、文書の変更履歴の管理など、プロジェクト管理に使われる機能を個人のToDo管理にも利用できます。ToDoごとにファイルを添付することもできますので、各ToDoに作成するファイルを直接ひもづけて作業することも可能です。オンラインサービスでの手軽なToDo管理よりも、さらに細かい作業管理をしたい人向けのソフトと言えると思います。
ちなみに、最新版ではGoogleカレンダーのデータを予定表に取り込むめるようになりました(11月15日の記事参照)。Googleカレンダーにプライベートの予定、マルチスケジューラでは仕事の予定をそれぞれ管理している方は、今回のバージョンアップによって、マルチスケジューラで一括管理もできるようになりました。
取り込み方法は、下記動画をご覧ください。
このムービーをご利用いただくためにはFLASHプラグイン(バージョン8以上)が必要です。
使い勝手の向き不向きは、皆さんの業務スタイルや日々の作業数・時間などと密接に関係してきますから、いくつかのサービスを試して自分に合ったものを探してみるといいでしょう。
例えば、オンラインToDoリストでは、一般的に件名のみでToDoリスト管理をする前提のものが多いですので、前回ご紹介したような本文に作業予定リストを記入するような使い方は、アリエル・マルチスケジューラやOutlookのような3ペイン型のToDoリストの方がやりやすいと思います。
一方、タスク名自体はメモ程度で良く、主に携帯電話でToDoリストを管理したいというのであれば、シンプルなオンラインサービス型のほうが手軽でしょう。
ToDoリストとして使えるサービスやソフトには、英語のものも含めると下記のようなサービスがあります。ぜひいろいろと試してみてください。
サービス名/製品名 | コメント |
---|---|
check*pad | 日本でブロガーを中心に人気のあるタスク管理サービス |
Remember The Milk | 日本語版も提供されて話題になったオンラインToDoリスト |
アリエル・マルチスケジューラ | プロジェクト管理ソフトの予定表とToDo機能を切り出した無料スケジュール管理ソフト |
Microsoft Outlook | Officeに含まれるメールソフト、ToDoリストの機能も持つ。 |
Yahoo!カレンダー | ヤフーが提供するオンラインカレンダー。締切付きの作業一覧を管理することもできる |
voo2do | プロジェクト管理に近い機能を持ったオンラインToDoリスト(英語のみ) |
TadaList | BasecampやBackpackで有名な37Signalsが提供する無料のオンラインToDoリスト(英語のみ) |
Basecamp | すでに利用者が100万人を超える37Signalsのプロジェクト管理サービス。有料だが1プロジェクトの利用は無料(英語のみ) |
Zoho Planner | Zoho WriterやZoho Sheetで有名なZohoが提供するオンラインPIMサービス。(英語のみ) |
Zoho Project | Zohoが提供するプロジェクト管理サービス。有料だが1プロジェクトの利用は無料(英語のみ) |
NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com」
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