いまや、ブックマークといえばインターネットのほうを先に思い浮かべがちだが、最近は本来の用途である本のためのリアルなブックマークが元気だ。外国製品も含めてご紹介しよう。
いまや、ブックマークといえばインターネットのほうを先に思い浮かべがちだが、本来は本や手帳につきものの「しおり」のこと。書店で本を買うとサービスではさんでくれることもあるが、そうしたサービスのないネット通販で本を買うことが増えたためか、あるいは外国から手軽なブックマークが入ってきたからか、リアルなブックマークがこのところ元気だ。今回は使い勝手も含めて、いろいろご紹介したい。
「ラストライン・ブックマーク」は、カナダのプラスチック製ブックマーク。小窓が開いているので、最後に読んだ部分をその小窓に入るようセットしておくという単純なもの。縦組みの本でも横組みの本でも使うことができる。紙を数枚はさむと安定するので、本だけではなく、手帳にメモ用紙(たとえばTo Doリストなど)をはさむ場合も使える。カラフルなブックマークは目立つ上に紙を傷めにくいので実用的だ。
次は、すでに本誌記事(11月8日)でも取り上げられている「スワンタッチ」。最終ページにスワンタッチを貼り付けて、スワンの形をしたクチバシ部分を読んでいるページにセットすると、あとはページをめくるたびに、常にクチバシの部分が読んでいる部分に移動するというもの。アイデア商品である。粘着力が弱めの両面テープで貼り付けるようになっている。しおりを落とす心配もないし、読みながら寝てしまっても大丈夫だ。
こちらは京都の恵文社一乗寺店という、本と雑貨でファンの多い店で見つけた綴り形式のしおり。チケットのような形状で、切り離して使う。読んでいるときにメモを取りたくなったらそこに書き込むのだ。しおりというより、付箋紙のようなものと考えると分かりやすい。糸で綴ったほうは和紙のような肌触りで、万年筆と相性がよいのも特徴だ。恵文社一乗寺店は市の中心部から外れているが、ここに出かけていくのを楽しみにしている人が多いという。「本にまつわるあれこれのセレクトショップ」というだけあって、センスのよい文房具や雑貨が揃えてある。
オフタイムに向いているブックマークとして、チェコのハンドメイドのブックマークを選んでみた。革ひもの両側に錫(すず)でできた飾りがついている。これは「猫と糸巻き」だが、「熊と木馬」「ポットとカップ&ソーサー」など、いくつものデザインがある。いずれも立体で、猫や熊は手足が動くようになっているなど、凝った作りだ。糸の長さもたっぷりあるので、大型の本でも問題なく使える。
最後に、これは本来しおりではないのだが、このところ気に入っているものをご紹介する。店頭でフレグランスを試すときに使われる紙(「ムエット」または「試香紙」と呼ぶ)を、たまたま本にはさんだところ、ページをめくるたびにいい香り――がするではないか。ふだん仕事で誰かと会うときに香りをつける習慣はないのだが、趣味の本を読むときに香りに包まれるのもいいものだと知った。このムエット、各ブランドでデザインを競っていて完成度が高い。使い捨てにしてしまうにもったいない。
書店のサービスで付いてくるしおりではなく、そろそろ自分で買って楽しむ時代がやってきたようだ。使い勝手で選ぶもよし、ビジュアルで選ぶもよし。本や手帳で使い分けて、読む時間、書く時間をより楽しくしたいものである。
製品名 | 価格 |
---|---|
ラストライン・ブックマーク | 158円 |
スワンタッチ | 3枚組み550円、送料込(製造元)、1枚157円(LOFT) |
フランス製の綴り式の「ノート・ド・レクチャー」 | 525円 |
フランス製の綴り式の「ノート・ド・レクチャー」(糸綴じ) | 420円 |
チェコの「Tin Book Marks」 | 1365円 |
横浜生まれ、東京育ち。コピーライター、フォトエッセイストにして料理研究家。設計技師の父の影響で、小さい頃から製図道具に囲まれる生活だった。そんなDNAからか、筆記用具をはじめとした文房具に詳しい。ブログは「カマタスエコのブログ」。同じく運営するWebサイト「電脳カマタ食堂」は「信毎ホームページ大賞2006」のライフ/情報部門の優秀賞を受賞している
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.