小型軽量化する文房具の中で、ちょっと逆行するかのようなずんぐりしたデザインのホッチキス「フラットかるヒット」。針が100本装填できる上に、とじた針が平らになる。大量の書類をキレイにとじられるホッチキスなのだ。
以前、ホッチキスをまとめ買いして、どこでもすぐに使えるようにしてあったのだが、1つ失くし、2つ失くし、探して使うようになってしまった。いい機会なので新しいものを購入しようと決め、売り場に出向いた。そこでカタログで見ていたツートンカラーのホッチキス「フラットかるヒット」を見つけた。
本体サイズは30×81×60ミリ(幅×奥行き×高さ)と、これまで愛用していたホッチキスが19×93×40ミリだったのと比較すると、奥行きは短い。ただ、高さが1.5倍程度ある。なぜ今この形なのか、疑問に思って箱を手に取ってみた。
文房具にしては目を引くパッケージだと思ったら、「本体とパッケージのカラーリングは、グラフィック・デザイン界の第一人者である岡本一宣デザイン事務所が担当。ホッチキスとしては新感覚のツートンカラーを採用しました」とサイトにある(岡本氏は一般誌、写真集、単行本など多数のアートディレクションやデザインのほか、企業のコーポレートアイデンティティや広告制作なども手がけている)。なるほど納得である。
早速購入して、いろいろと試してみた。コピー用紙を重ねてとじてみる。軽くてコンパクトでありながら、力をさほど入れずにコピー用紙を重ねても軽々とじられる。PLUSによれば、これまでの50%の力でとじられるとのこと。
しかも、とじたホッチキス針が平らになる「フラットクリンチ」タイプだから、書類を重ねても美しく、束が崩れにくい。利用する針のサイズは10号針。装填できる量は2連(100本)まで。ラクヒットが50本までだったから、これは便利だ。
ホッチキスとしてのパワーはどうだろうか。コピー用紙の束で試してみたところ、15枚、20枚までは難なくこなした。今まで厚いものをとじる時には、デスクに載せて体重をかけるように上から力をかけていたのがウソのよう。
文具好きの仲間と、「最近、針を取り除くリムーバーがないホッチキスを見かける」という話題になった。だが、フラットかるヒットには、しっかり付いていた。専用のリムーバーも持っているが、ホッチキスだけ持ち歩くことも少なくないので、やはり本体に付いていたほうがいい。
しかも、このホッチキスのリムーバーには直径3ミリの穴があいている。必要ならヒモで吊せるようにとの設計だそうだ。実際、吊して使いたい場所(職場)もあるだろう。まさに、かゆいところに手が届くデザインなのだ。
針が100本収納できるフラットタイプとしては、世界最小サイズ(2006年6月現在、PLUS調べ)。ハンドルカバーとベースカバーに再生樹脂を使用したグリーン購入法適合商品でもある。新しくホッチキスを購入しようという個人ユーザーだけでなく、企業の担当者にもお勧めの文房具だ。
製品名 | 価格 | 発売元 |
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フラットかるヒット | 609円 | PLUS |
横浜生まれ、東京育ち。コピーライター、フォトエッセイストにして料理研究家。設計技師の父の影響で、小さい頃から製図道具に囲まれる生活だった。そんなDNAからか、筆記用具をはじめとした文房具に詳しい。ブログは「カマタスエコのブログ」。同じく運営するWebサイト「電脳カマタ食堂」は「信毎ホームページ大賞2006」のライフ/情報部門の優秀賞を受賞している
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