メモ用ペンの“定位置”と“サイズ”が変わった?週刊「仕事耕具」

“ちょっとメモ”に使いたい、小型で携帯に便利なペンが各社から出ている。以前なら、ペンの“定位置”はスーツかYシャツのポケットだったが、ビジネスウェアのカジュアル化に伴い、ペンの大きさと持ち歩き方が変化しているようだ。

» 2007年03月06日 18時50分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 仕事中に自席から離れた場所でメモを取る場合、どこからペンを取り出すのだろうか。スーツにYシャツのビジネスマンなら、ペンはスーツかYシャツのポケットに入っているのが普通だろう。ペンの大きさも一般的なサイズで十分だ。

 しかし、ビジネスウェアのカジュアル化に伴って、これらペンの“定位置”が変わってきているようだ。かばんの中で見失わないように携帯電話につけておく、という人もいれば、ズボンのポケットに挟んでおくとすぐに取り出せて便利、という人もいる。また、携帯に便利なペンの小型化も進んでおり、ストラップがついていたり、クリップでポケットや書類に挟みやすいペンなど、工夫をこらしたものを各社が販売している。

プラチナ万年筆とトンボ鉛筆が携帯に便利な小型ペンを発売

 この分野に新たに参入するのがプラチナ万年筆。ミニサイズでストラップ付きのペン「グラマーミニ」のシャープペンとボールペンタイプを3月上旬に販売する。

 どちらも全長は82ミリ。本体色はクリアブラック、クリアレッド、クリアグリーン、クリアブルー、クリアイエローの5色で、価格は各210円。シャープペンタイプは残り芯1ミリまで書ける「ゼロシン」構造を採用。ボールペンタイプでは、一般に販売している長さ67ミリのリフィルを利用できる。

 若い女性をターゲットとしているため色彩は明るい。「携帯ストラップやバッグ、ポーチなどに付けてほしい」(プラチナ万年筆)という。このように、ミニサイズ文具は女性向けの明るいカラーバリエーションが多い。

 一方で、新しく男性向けの落ち着いた色で展開するのがトンボ鉛筆。全長90ミリのクリップ付きボールペン「PFit(ピーフィット)」に新色を追加する。現在は白い軸にクリップ部分がピンク、オレンジ、グリーン、ブルーの4色だが、3月12日から黒い軸にクリップ部分がネイビー、グレー、レッド、オリーブの4色を追加する。価格は各315円。

ペンのタイプ 商品名(メーカー) カラー
シャープペン グラマーミニ(プラチナ万年筆) 5色(クリアブラック、クリアレッド、クリアグリーン、クリアブルー、クリアイエロー)
ボールペン
ボールペン PFit(トンボ鉛筆) 4色(ネイビー、グレー、レッド、オリーブ)
(現行モデル:ピンク、オレンジ、グリーン、ブルー)

小型ペンは女性向け? 男性向け?

 トンボ鉛筆は2006年にPFitを発売したとき「ポケットの少ない服を着る女性は、男性と比べてボールペンの携帯に苦慮している」と考え、女性を意識したカラーバリエーションを展開した。しかし、販売してみると「もっと男性に似合う色が欲しい」との需要もあったという。トンボ鉛筆では「クールビズなど、男性の仕事着のカジュアル化の影響もあるのでは」と推測する。

 スーツやYシャツのポケットになら、一般的な大きさのペンを挿しておくことができる。しかし、クールビズの普及など、近年ビジネスウェアのカジュアル化が進んでいる。特にネット系ベンチャー企業など、必ずしもスーツを着ている男性ばかりではない。それどころか、ポケットのないTシャツ姿のようなラフなスタイルも当たり前のように目にする。ビジネスウェアの変化――このあたりにPFitの男性向けカラー追加の一因がありそうだ。

PFitの利用例

 グラマーミニ、PFitともに小型で携帯に便利なペンだが、通常の大きさのペンに比べて書きやすいとはいえない。プラチナ万年筆では「書きやすさよりもコンパクトさや携帯性を重視している。とはいえ、書きづらいというサイズではないし、ゴム製のグリップをつけて、握りやすさは一般の筆記具並みだ」という。

 トンボ鉛筆では「ただ小さくすればいいというわけではなく、手のひらに“埋もれない”サイズにした。親指と人差し指の間にペンが引っかかるように、最低限の長さは確保した」と話す。

PFitを手に持ったところ

 携帯やキーホルダーにつけられるサイズの小型ペンは他社も販売している。ゼブラやコクヨS&T(2006年8月15日の記事参照)のほか、ノベルティグッズとしての生産も盛んだ(2006年9月6日の記事参照)。当初は女性向けだった小型ペンだが、ビジネスウェアのカジュアル化にともない、男性ビジネスマンも愛用するようになりそうだ。

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