「自分の能力や適性を生かせる職場」は定着率も高い

「自分の能力・適性を生かしたい」と望む人は多い。そう望む人は実際に能力を生かした仕事に就いているのか、転職率はほかの人に比べてどうなのか――こんな調査が行われ、能力を生かせている人ほどその職場で働き続けたいという傾向がわかった。

» 2007年03月24日 02時30分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 多くの人は「自分の能力・適性を生かしたい」と望んでおり、実際に能力・適性を生かして働くことができるなら、その職場に定着する――楽天リサーチと日本総合研究所が20代を対象に行った、働く企業選びについてのアンケートで、こんな結果が明らかになった。

 今回調査対象となったのは、20歳から29歳の男女。過去3年以内に転職した社会人、過去3年以内に新卒採用で就職した社会人、現在就職活動中の学生の3種類に分けて集計した。

就職前と就職後、企業選びの重視ポイントがこう変わる

就職の際に重視する点

 就職活動の際にどのような点に注目したかをみると、新卒社会人、転職社会人、就職活動中の学生のいずれも「能力・適性を生かした仕事ができるかどうか」を最も重視していた。

 しかし、2位以下の項目については就職活動中の学生と社会人では差がみられる。特に社会人よりも学生が重視しているのは、「会社の収益性」や「成長性」に加えて「安全・高品質な商品」など、"会社そのもの"に関する項目だ。一方、転職社会人が重視する項目は「賃金が適正水準」「労働時間が適正水準」「適切な人事評価」などで、"自分が企業の中でいかに働けるか"に着目していることがわかる。

業務上での能力活用度。転職を経験した社会人の方が「能力を生かしている」と答えた割合が高い

同じ大学院でも、理系と文系で「業務上の能力活用度」に違い

最終学歴別 業務上での能力活用度

 また、業務上での能力活用度を最終学歴別にみた結果、理系の大学院卒は「非常に生かせている」という回答が31.6%と、今回対象となった5つの学歴区分中では最も多かった。一方、文系の大学院卒では「あまり生かせていない」という回答が45.5%と5区分中最多になった。

「能力・適性を生かした仕事ができる」ことへの重視度と業務上での能力活用度

 さらに「能力・適性を生かした仕事ができること」を重視した人は実際にそうできているだろうか。「非常に重視した」人では29.5%が「非常に生かせている」と回答しており、能力や適性を生かすことを重視する人ほど実際に能力を生かせている傾向がある。

能力活用度と継続/転職希望

 能力を生かせているほど、現在の会社で働き続ける傾向が強い。「能力を非常に生かせている」と答えた人の約半分、47.2%が、現在の会社で働き続けたいと答えている。これが「やや生かせている」「あまり生かせていない」と能力活用度が弱くなるにつれて、現在の会社で働き続けたいという回答が減り、逆に「機会があれば転職したい」「数年以内に転職したい」という回答が増えている。

 この調査から読み取れることは、多くの人は「能力・適性を生かしたい」と望んでおり、実際に能力・適性を生かして働くことができるなら、その職場に定着する――ということだ。

 この調査は、2007年2月7日から13日までの間に、楽天リサーチに登録している約140万人のモニターから首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に在住する20歳から29歳の男女を抽出し、有効回答を得た300人のデータを集計した。

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