レビュー
» 2007年04月17日 00時40分 UPDATE

5分で読むビジネス書:時間の使い方を改めて問い直す──『プロフェッショナルの条件』

新年度の始まりに合わせて、ちょっとした空き時間でできるスキル向上を手がけてはいかがでしょう。古典から新刊まで、各種ビジネス書をひもといて、ご紹介します。

[大橋悦夫,ITmedia]
表紙

P・F. ドラッカー『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社刊)

 自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除しなければならない。これは、自らが他の人の時間を浪費しているケースである。簡単に分かる兆候はない。しかし発見のための簡単な方法はある。聞けばよい。「あなたの仕事に貢献せず、ただ時間を浪費させるようなことを、私は何かしているか」と定期的に聞けばよい。答えを恐れることなくこう質問できることが、成果をあげる者としての条件である。(p.128)


5

 本書は、ドラッカーの全著作31点のうち、10点と論文1点から抜粋を集めたものだ。特に「一人一人の人間」に焦点が絞られている。本書の内容を一言で言い表すのは困難だが、あえて試みるとすれば、「成果を上げるために、自分をどのように使っていけばよいかをじっくり考えるためのバイブル」となるだろうか。

 それゆえ、折に触れて読み返し、書かれている内容について自問を繰り返すことを通して、“自分”の使い方についての文字通りのセルフチェックを行うのが、本書を最も効果的に活用する方法だ。

 冒頭の引用は「時間を管理する」という章から。この章を含むパート3「自らをマネジメントする」は、訳者・上田惇生氏が「本書の中核部分であって、まさに一流の仕事ができるようになるための秘訣」(p.257)としているように、成果をあげようとする読者にとっては珠玉の言葉に満ちている。

 そんな中で、今回「時間の管理」にスポットを当てたのは、本書でも言及されている以下の理由による。

  • 時間は成果の限界を規定する
  • 時間という資源はほかのもので代替できない
  • 時間はあらゆることに必要となる
  • 人は時間を管理する用意ができていない

 逆にいえば、時間の使い方さえ間違わなければ、「成果をあげる」というゴールはかなり現実的なものとして視野に入ってくるはずである。

 では、どうすればよいか。それは自問することである。自問のためには、その材料としての記録が欠かせない(7月27日の記事参照)。実際の時間の使い方を記録し、振り返り、改善を加えるという活動を継続する中で、自分の時間の使い方を改めて問い直すのである。

BOOK DATA
タイトル: プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか
著者: P・F. ドラッカー
出版元: ダイヤモンド社
価格: 1980円
読書環境: ◎書斎でじっくり
△カフェでまったり
×通勤でさらっと
こんな人にお勧め: 仕事で成果を上げたいと考えている人すべて

 質問の具体例については本書でもいくつか挙げられているが、できれば読者自身の言葉で組み立てることが望ましい。なぜなら、目的とする“成果”は人それぞれに異なるものであり、そこにたどり着くための道のりもまたそれぞれだからである。

 ドラッカー自身、「たえず努力をしないかぎり、仕事に流される」(p.126)と述べているように、この活動は成果をあげる上で避けて通ることのできない、仕事における“必修科目”と言える。

 今回は、「時間の使い方を見直す」というテーマに絞ってご紹介したが、これ以外のテーマについても、本書からは多くの“質問”を紡ぎ出し、日々の仕事の改善に役立てることができるはずだ。

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筆者:大橋悦夫 仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。


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