第3回 人生をラインで描いて「時期」の周期を知ろう「成功の時期」と「成長の時期」(2/3 ページ)

» 2007年07月25日 10時42分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

誌上セミナー 房野のグラフ

平本 房野さんはどうですか?

房野 子供の頃って、やっぱり分からないですね。でも、幸せな家庭と恵まれた自然環境の中におりました。ただ、小学生の頃、いじめられたわけではないんですが、学校に行きたくない時期があって、その時期は悶々としていました。それが、中学生になってスピードスケートをかなり真剣にやり始めると元気になって、あれが人生の最初のピークだったと思います。スケート以外、何も考えてなかった、みたいな感じです。

平本 あなたにとって、スケートはどんな意味があるんですか?

房野 一番熱中できることになっていました。勉強もしたくないし、友達と遊ばなくても気にならないし、スケートの練習をやっていたかったし、すごく強くなりたいと思っていたんです。まあ、大した選手にはなれなかったんですが、でも、そこそこは行けたので一応満足しました。で、高校に入るとそれがパタッとなくなって、割と勉強勉強でした。通学に2時間近くかけなきゃいけなくなって、生活が必死になってしまって……。グラフもだんだん下がっていきます。毎日の生活をこなしているだけで精一杯というか、とにかく眠かった。人生ってなんでこんなに眠いんだろうと思いながら通学していました(笑)。なので、何かをやっていたという記憶があまりないんですよね。

平本 たぶんその辺が、平和とか、静かに過ごしたいという今の価値観につながっているんでしょうね。

房野 そうかもしれないです。で、大学のときも、何にどんな意味があるかとかは考えず、ひたすら毎日をこなす感じになってました。あと、その頃、貧血体質が出てしまったので、いつも疲れていたような気がします。就職はしたんですが、本当は就職したくなかったのにしちゃって、という思いがあって、どんどんどんどん下がっていって、とても耐えられなかったので最初の就職先を辞めて……。今思うと、ここらへんで人生の方向を誤りそうになっていましたね(笑)

平本 それがなぜ上がったんですか?

房野 契約社員として出版社の編集部に入れたんです。たくさん編集者を募集しているときで、たまたま受けて、たまたま引っかかりました。そうしたら、最初の就職先では嫌だったのに、嫌だと思わずに仕事ってできるんだな、と思ったあたりからけっこう楽しくなってきて、今は本当に好き勝手やらせていただいています。結婚もしたし。生活は厳しいですけれど、周りに楽しい人たちがいて、今はいい時期ですね。仕事の面でも、これでどうにかなってくれないかな、と思っている部分がありますし。

平本 それが将来、下がっていくのはどうしてですか?

房野 このままうまく行くなんて絶対ありえないだろうと思っているからです。ジタバタする時期がそのうち絶対あるだろうと。今、主としてお世話になっている雑誌が年齢的に合わなくなってくるだろうし、関わっているジャンルも今後どうなるのかよく分からなくて、仕事がなくなるんじゃないかという恐れを常に抱いています。

平本 上がって終わってくださいよ(笑)

房野 そうですね。何かいい仕事と環境がやってくるかもしれない……。もしかしたら一発当てるかもしれないとか、そういうことを期待して……。

平本 何歳くらいで上がっていくといいですか?

房野 40歳くらいでガクンと落ちて、43歳とか45歳くらいまでには、穏やかな生活ができそうだな、という気持ちになりたい、という感じですね。

平本 最初からそうやって分かっておくと、40歳までにガクンと落ちても納得できるんですよ。ジタバタしながら溺れるよりは、「まあ、40歳までは溺れよう」くらいにしておいたほうが、実は将来的に上がってきやすいんです。

房野 そうですね。でも私、もうすぐ40歳になるんですよね……ヤバイ、急がなきゃ。

平本 いや、40歳までは落ちていい、と思えば楽な気持ちになるじゃないですか。


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