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» 2007年10月18日 12時00分 UPDATE

文具王の「B-Hacks!」:「ゲージパンチ」で3倍ファイリング

「ゲージパンチ」という穴あけパンチがある。ご存知だろうか? 知らない方は、まずこのパンチの存在を知ってほしい。書類のファイリングに大活躍の超便利アイテムなのだ。

[高畑正幸,ITmedia]
st_gp01.jpg 「ゲージパンチ・ネオ」。2625円

 「ゲージパンチ」という穴あけパンチがある。ご存知だろうか? 知らない方は、まずこのパンチの存在を知ってほしい。それだけですでに“ハック”と言っても過言ではないほどの超便利アイテムなのだ。

 ひと言でいうと、ルーズリーフバインダー用の穴を簡単に空けられるパンチ――である。普通のパンチは、2穴を利用している人が多いが、このパンチを使えばA4用紙なら30穴、B5用紙なら26穴を誰でも簡単に開けられる。紙を挟んで固定する「ゲージ」と、1度に6個の穴を開ける「パンチ」が1組になっていて、30個の穴を5回に分けて開ける仕組みだ。30個いっぺんではなく小分けにすることで、ヒトの握力でもたくさんの穴を開けることを可能にしている。

 ルーズリーフのユーザーと言えば学生が多い。複数の教科を平行して学習する学生にとって、教科分の複数のノートを持たずに済んだり、授業を欠席してもその分を後から差し込むのが簡単だったり――など、ノートとしてのメリットは多い。そんな学生なら、このパンチが有効なのは容易に想像できるはず。教科書や参考書、友人のノートのコピーはもちろん、最近ならリポートや関連資料などのプリントアウトも、ゲージパンチを使えばルーズリーフ同様にファイルできるわけだ。これは便利である。


 

ゲージパンチを家庭で、ビジネスで

 こんな便利な道具をビジネスや家庭でも利用しない手はない。ビジネスシーンでは、ほとんどの書類がプリントアウトやコピーをベースにしているのだから、これらを30穴用バインダーに綴じればよい。「そんなの普通の2穴パンチで綴じてるよ」と言う人はよく見てほしい。

 ゲージパンチであける30穴は、一般的な穴あけパンチの2穴よりも、紙の縁の近くに位置する。このため余白の少ない書類でも、書類の本文に穴を開けてしまう恐れが少ない。さらに重要なことは、穴の数が多い分「丈夫」だということ。2穴に比べて30穴であれば、1つの穴が負担する力は単純計算で15分の1。通常の書類とは比べものにならないほど、穴の周辺が傷みにくい。グズグズ広がっていく穴に強化パッチを貼ったりする人もいるが、ゲージパンチを利用すればそんな補強も全く不要なのだ。

 ゲージパンチは趣味の世界でも活躍する。筆者のオススメは、雑誌などの切り抜きを収集したり整理したりすること。筆者も以前は、雑誌を破いては透明なポケットのファイルに1枚ずつ入れて保管していた。

st_gp02.jpg ゲージパンチと普通のパンチで開けた穴
st_gp03.jpg 雑誌の切り抜きをたくさん綴じたファイル

 ここで冷静に考えてほしい。ポケットに入れるとすると、必要な切り抜き1枚を、2枚の透明シートにくるむことになる。切り抜きのファイル全体は、ポケットの透明シート−切り抜き本体−ポケットの透明シートの“3層構造”になるわけだ。実にファイルの3分の2は、本当は不要なものではないか。

 1つのポケットに切り抜きを何枚も入れればいいじゃないか、というご意見も分かる。だが、1つにポケットに何枚も切り抜きを入れてしまったら、目的とする切り抜きを探しにくくなる。ページの差し替えができないタイプのクリアファイルも論外だ。中身のページ数が最初から分かっていて増減しないならいいが、間に1ページ差し込みたければ全部入れ直しだし、1ページでも規定のページをオーバーしたら、もうどうしようもない。

 どうしても穴を開けたくない写真ページのようなものは仕方がないとしても、連載記事の切り抜きや料理のレシピなど、テキスト情報の収集ならパンチで穴を開けても、実用上はまず問題がない。それどころかポケットの透明シート分、厚みを削減できるので、同じファイルに今までの3倍は綴じられる。金銭的にも空間的にもお得である。

 意外と見過ごされがちなポイントとして「袋が足りなくなったから綴じられない」という状況に陥らないのもかなり重要だ。ファイルの袋だけを買い足すのは、バインダーを買いに行くよりずっとおっくうな気分になるのは筆者だけではないはず。もちろん雑誌の場合も、2穴ファイルはオススメできない。記事の文面に穴がかぶるのは嫌だし、雑誌の紙は、コピー用紙以上に破れやすいものが多いからだ。

A4サイズに揃える――フォトアルバムの新提案

st_gp04.jpg 筆者のフォトアルバム

 ついでにフォトアルバムについてもご提案。デジタルカメラやプリンタの性能は、もはや写真店でプリントを頼まなくても充分に楽しめるレベルになってきたと思うが、いまだにデジカメ写真をサービス版の写真用紙にプリントアウトして、それを簡易ポケットアルバムに差し込んで整理している人がたくさんいる。

 この方法が悪いとは言わないが、もうちょっと柔軟に考えよう。たとえばすべての写真をA4サイズでプリントアウトするのだ。A4サイズであっても、A4全面に1枚から、16枚ないしは30枚の写真を1枚に割り付けたインデックスプリントまで、さまざまなプリントパターンが選べる。そうやってA4でプリントしたものに、ゲージパンチで穴を開けてファイルに綴じればアルバムとしては充分。これなら、お気に入りのベストショットはA4サイズ1枚に引き延ばして楽しめるし、記録的意味合いの強いものなら、多数割り付ければいい。

 最近の高画素数のカメラでサービス版だけでは、せっかくの性能がもったいない。一度思い切ってお気に入りの写真をA4サイズいっぱいにプリントしてみてほしい。大きさが違うとこんなにも印象が違うのかと思うはずだ。そしてファイリングは袋に入れず裸で。写真プリントは、袋に入れない方が絶対に綺麗に見える。汚れる心配をされるかも知れないが、デジタルはいつでも作り直せるのだから、まずは写真の美しさを堪能しよう。

 なお、プリントの方法によっては、写真の端に穴がかぶってしまう。設定で余白を取ったり、写真加工ソフトなどで回避することも可能だが、実際やってみるとフチをとるよりも、写真をめいっぱい大きくして縁無しぐらいの方が(写真に穴が開いても!)キレイに見えると筆者は思う。

 1枚だけ誰かに渡すなら穴は開けたくないが、デジタルの場合、オリジナルはPCに残っている。むしろアルバム全体の印象で柔軟に考えるべきだろう。

 ともあれ、何よりA4版という定型サイズにすることで、ほかの書類やファイルとの相性も高くなる。ぐっと整理がしやすくなるわけだ。

ラクしたい人は「グリッサー」

st_gp05.jpg 「グリッサーパンチ」。8400円

 ここまで良いことばかりを書いてきたが、弱点もないではない。処理スピードである。一度に穴を開けられる枚数は、普通紙で4枚程度。しかも、1列開けるのに5回に分けて穴をあける必要がある。趣味の切り抜き程度なら十分だが、ビジネスなどで常用するなら、少しでも簡単な方がいい。

 そういう人には、値段は少し高いがこの「グリッサーパンチ」をオススメする。グリッサーは据え置き型の穴あけパンチ。用紙を本体のスキマに差し込み、スライダーをガガガガガガッ!と押すと、あっという間に30個の穴が開くという仕組みだ。言うまでもないが、圧倒的に楽だ。

 

 ともかく、まずはこうした穴あけパンチの有用性を実感していただきたい。ハマったら手放せなくなること請け合いだ。

今週の「B-Hack!文具」
製品名 型番 価格 発売元
ゲージパンチ・ネオ GP-130 2625円 カール事務機
グリッサーパンチ SP-30N 8400円

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著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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