もっと自分の知らない情報や人とつながっていきたい──fooo.name・高村さん田口元の「ひとりで作るネットサービス」探訪(1/2 ページ)

知らない人同士でも、興味が似通っている人ともっと出会えるようになるといい──。そう話す高村さんは大手SNSの開発にも携わる24歳。「Ustream映像にTwitterコメントをニコニコ動画風に」。そこから始まったのが「fooo.name」だ。

» 2007年11月29日 11時20分 公開
[田口元,ITmedia]

 「ひとりで作るネットサービス」第19回目は、fooo.nameを作っている高村達也さん(24)にお話を伺った。インターネット上で見つけた“気になる人”に関する情報を、簡単に見つけることができるサービスだ。もっと多くの情報や人がつながっていくといい──と考える高村さんは、どのようにサービス開発を行っているのだろうか。

ランキングでは実現できない、“人”を中心とした横の情報の見つけ方

 「今まで知らなかった面白い人が見つかるようになりましたね」。高村さんはfooo.nameについて、うれしそうにそう教えてくれた。自分で作り上げたサービスは、いまや自身にとってなくてはならないツールになっている。

 以前は「はてなブックマーク」を見ていて面白い記事があったらブックマークしたり、RSSに登録したりして終わりだった。しかしfooo.nameを使えば、その記事を書いている人に関して、もっと多くのことを知ることができるようになる。

 ブログを書いている人は、ほかのサービスでも情報発信している可能性が高い。ブログを書いている人ならばFlickrで写真をアップしているかもしれないし、Twitterで日々のつぶやきを発信しているかもしれない。「そうした『その人が情報発信してそうなほかのサービス』をまとめて持ってきてくれるのがfooo.nameです」。高村さんは自分が作ったサービスをそう説明する。

 仕組みはシンプルだ。ブログやソーシャルブックマークに使われているIDを元に、ほかのサービスでも同じIDがないかを探してきてくれる。精度は100%ではないが、自分が興味を持ったその人に関して、もっと知ることができる可能性はぐっと高まる。

 「いまでは『はてなブックマーク』で面白い記事を見つけたら、まずはfooo.nameするようにしています」。そうしてほかの情報を探ることを習慣にすることで、自身のアンテナの精度を高めているという。

「その人が他にどんなサービスを利用しているか、どんなサイトを持っているか」を探すことができるfooo.name

 「面白い情報を見つけたい、と思ったらまずはランキング情報を思いつくかと思います。ただ、ランキングでは上位の人はどんどん上位に、そうではない人はどんどん埋もれていく傾向があります。ランキングではない、別の情報の見つけ方を作りたかったのです」。有名ではなくても、自分の興味のある分野で面白い人同士がどんどんつながっていければいい。そう高村さんは望んでいる。

「ずっとユーザーよりのシステムを作ってみたかった」

 高村さんは現在ソフトバンクからマイスペースにエンジニアとして出向中だ。ソフトバンクではシングルサインオンのシステムなど、バックエンドでデータベースを接続するような仕事を担当した。

 ただ、バックエンドばかりを手がけていると、もっとユーザーよりのシステムも作りたくなってくる。そう思っていたときにマイスペースでエンジニアを募集していた。すぐに手をあげて志願した。インタフェース周りを自由に作ることができる、と聞いたからだ。

 マイスペースでは最初の4カ月ほど米国で作業をした。まずは英語版を日本語化しなくてはいけない。必要な画面をすべて洗い出し、片っ端から日本語にしていった。

 技術的にはあまり苦労はなかったが、やはり米国で仕事をしていると英語がネックになった。「メールはいいのですけどね、翻訳ソフトにかければいいので。でも会話は辛かったですね」。職場では筆談をしながら英語の壁を乗り越えていった。ただ、職場を離れてからの日常会話で苦労した。「英語がしゃべれないと分かると相手は無視しますからね……。スーパーではモノが買えなくて辛い思いをしましたよ」

 なんとか日本語化を仕上げて帰国。現在では日本語版ページの充実を目指し、日々アイディアを出しては1つずつアプリケーションを仕上げる毎日だ。「米国のサービスではありますが、日本語版のページは自由にいじれるので楽しいですよ」。ずっとユーザーよりのシステムを作ってみたかった高村さんにとって、願ってもない環境だった。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ