机が無線LANのアンテナに。イトーキの「LANシート」SECURITY SHOW 2008

机にシート状の無線LANアンテナを敷き、電波が届く領域を制限した「LANシート」がイトーキから登場。無線LANを使いながら、セキュリティ対策や位置特定などが可能になる。

» 2008年03月04日 12時58分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 フリーアドレスのオフィスなら無線LANを導入したい。でも、隣のビルまで電波が届いてしまう無線LANはセキュリティ的に心配。さてどうするか?

 こんな課題に対応するLANシステムをイトーキが開発。「SECURITY SHOW 2008」の同社ブースで展示している。名称は「LANシート」。通常のアンテナではなく、机の上に置いたシート状のアンテナを使うことで、机上に置いたPCだけが無線LANを使えるというものだ。

シートのそばに置いたPCでは、801.11aの電波が届きネットにアクセスできる。1メートル離れると急速に電波が減衰し、アクセスできなくなる

 「シートから1メートルの範囲だけに電波が届く。セキュリティレベルを上げられるだけでなく、誰がどの机のLANにつなげているのか、位置を特定できるのが特徴」だとイトーキ。

 シート型アンテナには、出力を弱める機構を持った専用のアクセスポイントを接続する。シートは裏面を金属で覆い、表面は格子状に金属が配されている。この格子の間から、電波が漏れ出してくる仕組み(エバネセント通信:LANケーブルを使わず、さまざまな導体から漏れ出す電磁波を使う。ビルの鉄骨などを導体に使える可能性がある)を使い、出力をコントロールしているのだという。

左がシートに接続する専用のアクセスポイント。右はシステムの仕組みを表した図

 周波数帯は1G〜10GHz程度を想定。展示されていたのは5GHz帯を使い、IEEE802.11a方式の無線LANを接続していた。機器の変更が必要だが、802.11b/gにも対応可能だという。

 イトーキではまず7月にシート状の製品を発売予定。サイズは最大で640×2400ミリで、イトーキの机にきれいに接続できるものになる。その後年内には、机自体に内蔵したものも発売する予定だ。価格は「従来の企業向け無線LANシステムと同程度」だとしている。

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