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» 2008年04月02日 20時33分 UPDATE

“付せんを共有”しませんか――ブラウザ上にはり付ける「lino」 (1/2)

インフォテリア・オンラインは、Webブラウザ上で動作するオンライン付せんサービス「lino(リノ)」のβ版を公開した。Ajaxで開発した付せんサービスで、ブラウザ上で“付せん”を作成し、はったり、剥がしたり、動かしたりできる。

[鷹木創,ITmedia]

 インフォテリアの100%子会社、インフォテリア・オンラインは4月2日、Webブラウザ上で動作するオンライン付せんサービス「lino(リノ)」のβ版を公開した。無料で利用できる。Internet Explorer(IE)7、Firefox 2、Safari 3をサポート。なお、IE6はサポートしない。

st_ln01.jpg

 linoは、Ajaxで開発した付せんサービス。サービスを提供するサイトにアクセスし、ユーザー登録すると、「キャンバス」と呼ばれるワークスペースを表示する。ここで、アイデアやToDoなどを入力して“付せん”を作成。この付せんをワークスペース上にはったり、剥がしたり、動かしたりできる。なお、OpenIDでもログイン可能で、携帯電話用のインタフェースも用意している。

 それぞれの付せんには、タグや日付を設定でき、それらの情報から選び出せる。リストのように文字列を順々に表示するのではなく、該当する付せんをハイライトする仕組み。ToDoなどを入力した付せんが多くなっても、「今日締め切りのToDoはこれ」と視覚的に確認可能できるわけだ。

 付せんにデータを入力するためのブックマークレットも用意した。付せん化したいWebページの一部分を選択し、ブックマークレットをクリックすると自動的に付せんが作成できるようになっている。

st_ln02.jpgst_ln03.jpg 右上の付せんアイコンをクリックすると、中央に入力フィールドが現れて、付せんを作成できる

st_ln10.jpgst_ln11.jpg 携帯電話用のインタフェースも用意。RSSフィードも配信できる

 ほかのユーザーとの共有も可能だ。公開したキャンバスには登録していないユーザーも付せんを作成できる。また、公開しない設定や、友達まで公開するというような公開の度合いも決められる。このほか、キャンバスに付せんが張るたびにメールで通知したり、キャンバスに張られた付せんをまとめて毎朝メールで通知したり、キャンバスごとにRSSフィードを配信したりすることも可能となっている。

st_ln04.jpgst_ln05.jpg 電話メモのような付せんとしては“基本”的な使い方から、付せんに写真をはり付けて、アルバムソフトのような使い方もできる。ちなみに容量は今のところ無制限だが、写真のサイズは付せんと同じサイズにリサイズする仕様

st_ln06.jpgst_ln07.jpg 表のような背景に変えることで、分析にも利用可能

st_ln08.jpgst_ln09.jpg ユニークなところでは、座席表や不動産情報にも利用できるという

紙の付せんはそれほど使ってないのに生まれた「lino」

st_ln12.jpg 甲斐さん(左)と中村さん(右)

 インフォテリアが自社開発したlino。そもそも「Life Note」から名付けたという。仕事からプライベートまで、生活に関わることを何でも気軽に書いてほしいという願いを込めたのだ。

 実は、社内ではそれほど付せんを使っていなかった。「もちろん、ちょっとしたことを付せんに書いて、PCなどにはり付けていた人はいますが、アイデア出しなどで積極的に使ったことはありませんでした」と話すのは、開発に携わったインフォテリア・オンラインの甲斐淳仁さん(サービスデザインマネージャー)。

 なぜ付せんのインタフェースを選んだのか。インフォテリアの中村智史さん(プリンシパルソフトウェアアーキテクト)は、「これまでのToDo管理サービスなどは、たいていリストを一覧表示しています。このリストを共有した時、従来型のサービスだと作成した人が順番やレイアウトを固定し、共有した別の人にとっては違和感を覚えることがありました。linoなら、みんなが自由にレイアウトを変えられます」と答える。気軽にはったり、剥がしたり、移動させたり――そんな付せんの“自由さ”を選んだわけだ。

3カ月で200個超のアイデア出し――社長も社員もフラット

st_ln13.jpg 藤縄社長

 linoの開発グループは10人程度。2008年1月からアイデア出しもlino上で行っている。このグループ内でのアイデア共有、実はインフォテリア・オンラインの藤縄智春社長も参加した。通常の場合、役職者が参加したりすると現場が委縮してしまったりするが、平均すると1日3〜4個ほどの投稿があるという。3カ月で200個を超す勢いだ。

 藤縄社長は「私のアイデアが採用されることなんて滅多にありませんよ」と苦笑。通常の社内システムでは社員の名前がそのまま表示されるため、お互いに意識してしまうが、linoであればユーザー名を自由に設定できるため、社員間の序列が影響しにくい。「ある程度の匿名性のおかげで、フラットなやり取りができる効果がある」というのだ。

 そんな藤縄社長もlinoをToDoリストとして利用している。ポイントは付せんの色を赤、黄、緑の3色に分けること。赤は「すぐやらなければならないToDo」、黄は「緊急度が低いToDo」、緑は「思いついたToDoやアイデア」。紙の付せんとは異なり、付せんの色は後から変えられるから、重要度の変わったToDoにも対応できる。

st_ln14.jpg ToDoリスト

 「日にちを置いて返信しなければいけないメールも、内容をコピーしてlinoで管理している」のは甲斐さん。通知メールの機能があるので、忘れずに返信できるという。

足りないのは、「全文検索」や「インポート/エクスポート」機能

 簡単に入力できて、グループでの共有も簡単なlino。でもまだまだ足りないところもある。現時点では、全文検索や、テキストなどの既存ファイルのインポートや、各種アプリケーションに対応したエクスポートといった機能もない。また、剥がした付せんの履歴も残せない。

 これまでオンライン表計算サービス「OnSheet」など、法人向けサービスに注力してきたインフォテリア・オンライン。個人向けの初めてのサービスがlinoだ。藤縄社長も「今はβ版」と開発途中であることを強調する。要望によっては、全文検索やインポートエクスポートなども追加するという。「今後のサービス展開は法人だけでなく、個人と海外も加えた3本柱」。海外展開もにらむlinoだが、世界中で“生活ノート”になれるだろうか。

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