「FINE PAPERS」と銘打った「TAKEO PAPER SHOW 2008」が東京で開催されている。毛みたいな紙に金属みたいな紙、古紙みたいな新紙に新紙みたいな古紙――見て触って堪能できる、驚きの紙世界を体験してきた。
紙販売の老舗、竹尾が毎年開催している紙の展示会「TAKEO PAPER SHOW 2008」が4月17日から20日までの4日間、東京は丸ビル7階ホールで開催中だ。照明を極力抑えた会場では、ショーケースに並ぶ紙の展示品が、宝石のごとくスポットライトを浴びている。
これは本当に紙? そんな驚きの紙が勢ぞろいしていた。
上の写真は新丸ビル4階のギフトショップ「デリエ イデー」のノベルティー。「オフメタル」(王子特殊紙)という紙を使った。メタルの質感と、ニュアンスを生かしたくり抜きのマシンデザインがクールだ。「オフメタル」はアルミ粉末を付着させた加工紙。この加工により質感を出した。
次は新丸ビル7階のダイニングレストラン「ソータイアード」のノベルティー。「OKミューズガリバーHG」(王子特殊紙)を使った。
赤々とおいしそうな生ハムを網が包んだ絵柄で、網の糸がリアルに浮き上がっている。また、表面に光沢があるため紙もつるっとしているかと思いきや、触ると意外に柔らかい。
「OKミューズガリバーHG」は「ラフ・グロス」という種類の紙の1つ。やわらかな触り心地、上品な光沢、キレイな発色が特徴の「いいとこ取り」の紙だ。また3Dの網は、インクに特殊な薬剤を混ぜ、立体的に浮き上がらせた。
さらに新丸ビル7階のダイニングラウンジ「ヘンリーグッド7」のノベルティー。「ファーストヴィンテージ」(特種製紙)を使った。
わら半紙のような粗い繊維質が混じっているのが一目で分かり、色も古紙らしくブラウンベースをしている。この見た目からザラついた表面をしているかと思っていたが“だまされた”。古紙0%の紙で、触ると実に滑らか。また、デザインのスカルには白い“柔毛”が生えており、遊び心をくすぐる。
「ファーストヴィンテージ」は名のとおり、ヴィンテージの風合いを追求した古紙0%の新紙。「タグなどさりげなく使って、風合いを楽しんでほしい」(説明員)という。“柔毛”は、“植毛”したい個所に繊維をまぶした“猫毛”を付け、静電気で逆毛のように立たせたものだ。
「ヘンリーグッド7」と逆の意味で“だまされた”のが、「首都高大黒PA(TOKYO SMART DRIVER)」のノベルティー。「竹あやGA」(日清紡)を使った。
「TOKYO SMART DRIVER」のテーマカラーである白とピンクのクロスは、眠気を一気に覚ましてくれそうなインパクトだ。白部分が真っ白でピンクも鮮やかなため、真新しい紙だと思った。
だが「竹あやGA」は非木材の竹を50%配合した環境配慮型だ。通常、環境配慮型の紙は、古紙や非木材の配合率は1〜30%という。50%はかなり配合率が高いほう。竹の繊維が残っているため、触るとザラつきがある。
竹は太い幹状ではなく「東南アジアに自生する草状の竹」(解説員)だ。元々枯れた色の竹を非塩素系の漂白剤を使い、真っ白にした。竹尾では、環境配慮の独自基準に合格した紙には「グリーンエイド(GREEN AID」の頭文字を取った「GA」を付けている。
なお東京会場のみ、ノベルティーはTAKEO PAPER SHOW 2008開催期間中に、イベントに参加している飲食店や服飾雑貨店などのショップで買い物すると、店頭で先着または抽選でもらえる。参加しているのは、丸の内周辺のショップなど48店で、各ショップのノベルティー用意数は100。紙切れ1枚から無限に広がる紙世界を味わえる。
東京会場 | 大阪会場 | |
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開催期間 | 4月17日(木)〜20日(日) | 5月14日(水)〜15日(木) |
開催時間 | 10時〜21時 (20日は15時まで) |
10時〜20時 (15日は18時まで) |
会場 | 丸ビル ホール(7F) | マイドームおおさか3階展示場E |
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