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» 2008年05月16日 16時00分 UPDATE

文具王の「B-Hacks!」:“ベルクロハック”その2――ベルクロバッグ編

前回、ベルクロ(いわゆる面ファスナー)付きPCをお見せしたが、私がベルクロを使っているのは、実はこれだけではない。持ち運びが重要なモバイルでは、カバンにも採用することで“ベルクロハック”が成立するのだ――。

[高畑正幸,ITmedia]

 前回のリポートで、私のベルクロ(いわゆる面ファスナー)付きPCをお見せしたが、見た目の問題もあり、賛否両論、微妙な反応も多々頂いたようだ。

 しかし、私がベルクロを使っているのは、実はこれだけではない。持ち運びが重要なモバイルでは、カバンにも採用することで“ベルクロハック”が成立する。どんだけベルクロ好きやねん! と言われるが、いやホントに便利なのだ。まあ、見ていただくのが一番早いかもしれないので、写真を掲載しておく。これが私のカバンだ。

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 このカバン、内張がベルクロ(メス)になっているので、前回の記事でお見せしたHDDやケータイなどをそのまま壁面に貼り付けることができるのだ。なんだか、スパイかテロリストという感じだが、こうして壁面にガジェットを貼り付けるメリットは大きい。

ポイントは簡単に取り出して、短時間で撤収できること

 私がカバンに入れて持ち歩くことのあるものといえば、ケータイ、デジカメ、HDD、カードリーダー、ボイスレコーダー、名刺ケース、電子辞書、電卓……。だいたいどれも手のひらに収まるサイズの平べったい直方体のものが多い。が、並べてみると意外に形状はそろっておらず、これらを無造作にカバンに放り込むと、底の方に集まってごちゃごちゃになり、互いに傷を付け合うのである。この状態だと、それらのアイテムが傷つくだけでなく、カバンは洋梨のように下の方が膨れ、手を突っ込んでも取り出しにくい。

 しかもたいていカバンの底には気付かないうちに埃や砂のようなもの、砕けたスナック菓子の粉など、そんな物がいつの間にか堆積する。USBメモリとかカードリーダーなど、コネクタむき出しの小さな機器が、そういう雑多なものと混在してしまうのだ。隙間に入る可能性も否定できない。デジタルガジェットのほとんどは、このような悲惨な環境に置かれることをほぼ想定していないのである。

st_bu02.jpg 内容物が平面に配置されるため一覧性が高く、縦方向に均等に配置できるので、カバンをスッキリ平らに保てる

 もちろん、それぞれを純正ケースやポーチに収納したり、ポケット満載の便利そうなインナーバッグに入れたりしてもいいが、実際に試してみると、その都度必要なものが変化したり、ガジェット自身が形状の異なる新製品に置き換えられたりするので、うまい具合にピッタリの収納が見つからないというのが正直なところだ。しかも、こういう製品にありがちな黒いナイロンのポケットは、数が多くなると、どこに何を入れたか分からなくなるという欠点がある。リアルモバイラーとしては、それらの機器を安全に運び、必要なときにいかに簡単に取り出して使用するか、そして、いかに短時間で撤収するかというのは、重要なポイントなのである。

 その点、このベルクロバッグは、内容物が平面に配置されるため一覧性が高く、縦方向に均等に配置できるので、カバンをスッキリ平らに保つことができる。良いことずくめだ。こうしてカバンをスッキリさせると、収納力も格段に向上するし、ベルクロで固定されているから、持ち運びの際もガチャガチャしない。しかもベルクロ自身がクッション性を持っているので、振動や衝撃に対する安全性も向上する。取り出したり戻したりする際にも、必要なものだけにダイレクトに手を伸ばせばよいのだ。展開、撤収の手間も最小限に抑えられる。

 もちろん貼り付けるものは、デジタル系に限らない。オスのベルクロを常に数十センチ切り取って折り畳み、カバンに入れておけば、いつでも増設・カスタマイズが可能である。フリスクのケースだろうが目薬だろうが、マイ箸ケースだろうが、表面に平らで硬い部分があれば、ベルクロを適当に切って貼り付けてぴっちり並べることができる。ロディアやMOLESKINEに直貼りすれば、アナログツールだってOKだ。

 あとは、重量のあるものや貼り付けにどうしても向いていないものだけを底に入れればよい。

魔法のはがし剤

 私が便利と言っても、多くの人は、機器に直接ベルクロテープを貼るのに抵抗感があると思う。これだけはある意味、開き直りにも似た気持ちの切り替えが必要である。こればっかりは強制するわけにも行かないので、せめてもの補足として、駄目だった場合は、きれいにはがす方法もあるので、一応紹介しておく。

 ベルクロの裏面の粘着剤は、一般的なシールはがし剤できれいにはがせる。紙のシールなどと違い、途中で破れたりしないので、焦らずにゆっくりはがせばきれいに取れる。プラスチック面であれば、のり残りもきれいに拭き取れるからまず心配ない。イチオシは、ミツワの「ペーパーセメント ソルベント」(780円〜)。もともとは同社のペーパーセメントという接着剤専用の剥離・薄め剤なのだが、これがシールはがし系ではピカイチ。シールはがしとしてはかなり強力なのに素材自体を傷めにくいという非常に優秀な魔法の液体だ。デパートなどの包装コーナーなどの作業台をのぞき込むとよく見かける。

オススメ「ベルクロバッグ」

 そしてカバンの話。このハックの場合、ベースになるカバンを用意することが一番の問題かもしれない。カバンは、市販されているもので考えるなら、PCバッグのコーナーと、カメラバッグのコーナーにある確率が高い。そこで、仕切りなどを自由な位置に移動、固定するために使われているものを探すのだ。また、それ以外にも、あえてベルクロとは書かれていないものの、衝撃を弱めるための素材として、表面がベルクロと同じように機能するパイル状の生地を使用しているものもある。

 以下に、私が使用している「ベルクロバッグ」をいくつか紹介しておく。一番のお気に入りはずいぶん昔にサザビーが販売していたもので、今はすでに廃番となっているこのカバン。内部の一室の内張が全部ベルクロになっている。比較的薄くて軽いので、なにかと重宝。最も長く愛用しているものだ。

 もうちょっと容量の大きめのもので、どこでも膝の上をデスク代わりにしたくて作ったのがこのアタッシュケース。エレコム(だったと思う)のプラスチック製で比較的軽量なものだ。もともとPC用に販売されていたもので、ベース側にはPC固定用のバンドがある。ふたの内側には、一般的なアタッシュと同様、書類サイズのポケットが付いていたのだが、私はこれの内張をバリバリと全部ひっぺがし、例のロールで購入したベルクロを隙間なく貼り付けた。

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 これならふたを開ければすべての装備が一覧できる状態だ。それこそ、映画に出てくるテロリストのカバンみたいな状態。出張などなら、ホテルの机の近くの適当な台の上(イスの上とか物置き台など)にふたを開けて置けば「基地完成」という感じだ。

全面ベルクロ仕様のバッグも

 そしてもう1つ。秀逸なのがこの「newneu.」というブランドのバッグだ。高円寺のお店SALのオリジナルブランド。バッグの内も外も、そして肩掛けベルトに至るまで、すべてベルクロ(メス)でできている! ここまで完璧にベルクロ仕様のカバンはほかに見たことがない。このブランドは、ファッション的要素として、ワッペンやポケットなどを自由に付け替えられることをメインにうたっているが、私のように、ほとんどのガジェットにベルクロ(オス)が付いていると、それだけでもう完璧なベースとなり得るものだ。

st_bu05.jpgst_bu11.jpg バッグ本体にポーチなどが付いて2万5200円。肩掛けベルトにもベルクロが!

 今のところ、メッセンジャータイプ(写真)のほかに、トートとボストンの3種類が用意されているが、PC収納を考えるとやはりメッセンジャータイプである。ポケットも自由に付け替えられる(別売りでいくらでも増やせる)し、肩ヒモにケータイやiPodなどを貼り付けることも可能(もちろん私のようにガジェットの裏にすべてベルクロを貼り付けなくても、ポケットなどが自由に付けられるだけでもかなり便利ではある)。

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 しかも、オプションとして販売しているこのマスコットは、単なるかわいいワッペンかと思いきや、じつはイヤフォンコードなどをクルクル巻いて貼り付ける“機能”を持っているのだ! 取り出しやすくする工夫でもあったりする。これはかなり遊べる上に使えるバッグである。ちなみにこのバッグ、昨年のグッドデザイン賞も受賞している。

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 ――と、いろいろと紹介したが、やっぱりMacにベルクロ貼るのはかっこ悪いかなあ……。MacBookのブラックとか、ThinkPadならそんなに目立たない! と思うよ。 どうかな?

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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