インタビュー
» 2008年05月26日 12時30分 UPDATE

ひとりで作るネットサービス:【番外編】学生時代の開発チーム3人が再集結――撮った画像がスライドショーになる「Smillie!」 (1/3)

各自のケータイからアップした写真がその場ですぐスライドショーになり、大勢で楽しめる「Smillie!(スマイリー)」。閑歳さん、笠谷さん、寺島さんの3人で開発した。大学仲間の3人は、学生時代にも学内で評判のサービスを作っていた。再び集まり共同開発した経緯と目的は?

[田口元,ITmedia]

 ひとりで作るネットサービス第28回番外編は、閑歳孝子さん(かんさい・たかこ、29歳)、笠谷真也さん(かさたに・しんや、29歳)、寺島幹人さん(てらしま・みきと、28歳)ら、3人の社会人チームを取り上げる。大学時代から付き合いのある3人が、仕事をする傍らネットサービスを作り上げた経緯とはどういったものだったろうか。

「なんか恥ずかしい(笑)」プロトタイプまで作ったサービスを自らボツに

 「嫁が自分の(結婚式で使う)ためにネットサービスを作ったっていうのはなんか嫌で」。閑歳さんはそう笑う。ケータイからアップした写真がその場ですぐにスライドショーになる「Smillie!(スマイリー)」は最初、自分の結婚式で使うつもりだった。

mt_ka1.jpg 閑歳孝子さん

 「一軒の邸宅を借り切って行う、いわゆるハウスウエディングという形式だったので、立食形式でもワイワイみんなが楽しめるものが作りたくて。ケータイで撮った写真がアップされていく様子を、プロジェクターでスライドショーのように映したら楽しいかな、と思いついたのがきっかけです」。閑歳さん自身もプログラミングができたし、だんなさんはFlashが得意だった。結婚式の企画を考えていたときに「じゃあ、作ってみるか!」と盛り上がり、プロトタイプまで作ってみたが、結局そのときには使わなかった。「新婦がネットサービスって、ねぇ……なんか恥ずかしいですよね(笑)」

 閑歳さんがネットサービスを企画したのは初めてのことではない。彼女がどういうネットサービスに携わってきたのかを知るには大学時代にまでさかのぼる必要がある。

大学時代に競売物件サイトを立ち上げ起業、笠谷さんと出会う

 「競売です、競売物件」。競売(けいばい)とは民間機関によるオークションではなく、裁判所など公的機関が、未納税者や債務不履行者、破産者などの不動産を競売にかけることだ。「当時、そういう情報ってネットになかったんですよ。リクルートもやってなかったし」。学生時代は慶應大学で、湘南藤沢キャンパス(SFC)に通っていた。ブロードバンドにつなぎ放題のキャンパスは、閑歳さんにとって天国だった。同じくSFCに通う学生3人と一緒に起業、競売物件の情報販売サイトを開設した。競売物件情報が手に入る裁判所まで出向いては書類を写真に撮り、その情報をせっせとアップする日々が続いた。

 ただ、「それなりに売り上げも立ちましたが、ビジネスというほどではなかったですね」。その後サイトは閉鎖したが、実は起業メンバーの1人が笠谷さんだった。「笠谷さんはプログラミングがすごくできました。『この人は使える!』とひそかに思ってその後も連絡を取っていました」

 そしてこの後、寺島さんともう1人を含めた4人で、SFCの授業情報を管理できるコミュニティーサイト「SFC★MODE」を立ち上げることになる。

「ここしかない」通信環境が整っているからという理由で大学進路を決める

 「小さい頃からインドア派でしたね。ゼビウスとかワルキューレの冒険とかのゲームにはまっていました」という閑歳さん。ゲームやコンピュータ、パソコン通信などに興味を持っていた。高校生に上がるころ、コツコツと蓄えた貯金でCOMPAQのパソコンを買った。「当時、PC-9801などのほかの(メーカーの)パソコンはハードディスクが180Mバイトだった頃でした。そのころにCOMPAQは500Mバイトあったんです。これはすげー、と思って即買いでした」

 COMPAQのパソコンを買った後はパソコン通信にはまった。ニフティのフォーラムに出入りし、ソフトウェアをダウンロードしたり、チャットをしたりして夜な夜な過ごした。「ソフトウェアとかゲームがネットの向こう側から落ちてくる、という感覚がたまりませんでした。『チューチューマウス』とかが思い出深いですね……」

 進路を考えていたときに、家の近くにSFCができたことを知った。当時興味のあったデザインもできるし、通信環境もそろっているという。ここしかない、と思った。「ちょー勉強して」無事に合格した。大学はとにかく楽しかった。「今まで女の子の友達の前でゲームとかパソコンの話ができなかったんです。恥ずかしかったので。でもSFCはそれが普通でした。『素でいてもいいんだ!』と分かった時はうれしくて、うれしくて」

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