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» 2008年06月04日 11時25分 UPDATE

文具王の「B-Hacks!」:すべてのケーブルにストラップを!

ケーブル類を引き出しやカバンに無造作に入れると、必ずと断言してもいいほど互いに深く絡み合っている。きっとこれは現世で結ばれなかったロミオとジュリエットの怨念に違いない。今回はそんな状況をなんとかするアイテムのご紹介。

[高畑正幸,ITmedia]

 ヘッドフォンの回にも触れたが、私は、ケーブル類が大嫌いだ。扱いが下手だというのもあるが、やはりどう考えても不便だ。引き出しやカバンに無造作に入れると、必ずと断言してもいいほど互いに絡み合っている。「ケーブルには、現世で結ばれなかったロミオとジュリエットの怨念がとりついている」と勝手に思っている。

 冗談はさておき、機能的になんとかなるなら、ケーブルなんかないに越したことはない。自宅内無線LANなど、1度試せばもう絶対後戻りしたくない。いまや、私の自宅はスピーカーもプリンタも、自動バックアップのHDDまでワイヤレスである。それでも電源は依然としてケーブルを介して供給されるわけで、燃料電池なり、非接触充電なり、もうちょっとましな方法が実用化されるまで、人類が手足に絡み付くひもから解放されるのはまだしばらく先の話になりそうだ。

 もちろん我々の周りにあるケーブルは、PC関連だけではない。実際、自宅には、AV機器関連や、コーヒーメーカー、ドライヤー、コタツ、電気ストーブのたぐい、各種充電器など、日常的に使っていないものも合わせると、とんでもない本数のケーブルが存在する。

 中には、掃除機やアイロンのように、使わないときには巻き取って収納できる機器もあるが、ほとんどのものは無策である。その上、ほとんどの電化製品のカタログ写真は、ケーブルをまるで存在しないかのように表現し、見て見ぬふりだ! スマートな薄型テレビのCMでは、壁面に額縁のように設置されているが、電源や画像のケーブルはいったいどうするのか? 平たいビデオやDVDはどこに置くのか? と考えると、実際にはできもしないシンプルな生活イメージに腹立たしくすら感じる。そこだけはたとえ吉永さんに言われても納得いかないのだ。

多くの人が陥るパターン、コードを折り曲げて一回結び

st_bu02.jpg 陥りがちな一回結び

 ということで、今回はケーブル類をどうするかという話だ。ただし、使用中のケーブルはいったん置いといて、使用していない時のことを考えようと思う。確かに使用中のケーブル類もかなり多く、これも腹立たしいのだが、実際に電気(信号も含む)が流れているものは、いかんともしがたい。PC周りなどに関しては、無駄に長いケーブルを短いのに換えたり、コードまとめで束ねるなど多少の工夫はできても、冷蔵庫や洗濯機などは、設置段階で目立たないようにする以外にない。しかし逆に言うと、これらのケーブルは、いったんきちんと配置してしまえば、日常目にすることも少ない。

 それよりも、私をイライラさせるのは、待機状態にあるケーブルだ。電気ストーブやのように長期間待機する場合もあれば、ドライヤーなどのように頻繁に出し入れする場合もあるし、今使っていないオーディオケーブルなど、しばらく使う予定がなくても目的によっては必要になるために保管しているものもある。これらのケーブルは、待機状態の時にきちんと束ねておかないと、じゃまなだけでなく、まず間違いなくからまって、次の使用時に「ほどく」から始まる。今まさに使用したいというその瞬間に、絡まったひもをほどいてからでないと使用できないというのは、私には耐え難いストレス。なので、このひもの扱いについてはちょっとうるさいのである。

 で、多くの人が陥る一番駄目なのがこのパターン。コードを半分の半分の……と、折りたたんでいって、適当な長さになったところで一回結び。シンプルなコードなら確かにまとまっているように見えるが、たいしてコンパクトでもないし、イヤフォンなどの細いコードなどは、よけい絡まりやすくなる。これは、結んでいるのとほとんど同じ。絡まって当然といえば当然。また、太いケーブルの場合、最後にくるっと結ぶときにケーブルがねじれるため、何度もこの方法を使うと、被覆が裂けるなどのトラブルも起こしやすい。ほとんどのケーブルは、単純な曲げには比較的強いが、ねじれに弱いことが多い。どちらにしろあまりオススメできない方法だ。

なぜケーブルは絡まるのか

 ところで、読者の皆さんはなぜケーブルが絡まるのか考えたことがあるだろうか? トポロジーといわれる特殊な幾何学を習得すればそれを正確に表現できるのかもしれないが、そんなことをしなくても観察すれば分かる。ひもが絡まるのは、両端が交差するから。逆に言えば、両端が交差しない限り、ひもは絡まない。つまり両端の動きさえ押さえていれば絡まりは防げるのである。具体的にはどうするのか? 1つはその道のプロのやり方をまねることだ。この場合なら、登山家や船乗りだ。彼らにとってロープの扱いは命に関わる。何百年も前からさまざまな方法が編み出されているようだが、シロウトの私たちが覚えるのは1つでいいと思う。

 ロープを8の字にまとめていき、最後に真ん中のくびれをクルクルと縛って片方の輪に端を引っかける。なお、この方法は私が編み出したものではない。詳しく知りたい方は、ほかのサイトやブログ、またはアウトドアの本などに掲載されているので、検索してみてほしい。

st_bu03.jpg こんな感じでイヤフォンにも応用できる

 これは、イヤフォンなどにも応用できる。もちろんこの方法はしっかり覚えておくと、とっさに便利なことはとても多い。しかし、ワタクシ的にオススメはここから先。私のは簡単。エレコムのケーブルストラップを買ってきて、そこら中のケーブルに取り付ける。以上、テクニックは一切不要。マジックテープでぺたっと留めるだけだ。このストラップは、片端はケーブルに取り付ける仕様になっているので、ケーブル使用中もケーブルから離れず、紛失することがない。長さが1種類しかないのが残念ではあるが、よほど長いものでない限り、たいていのケーブルはこれで対応できる(これで止まらないほど長いものなどは、先ほどのロープ方式で対応する)。

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st_bu07.jpgst_bu08.jpg エレコムのケーブルストラップでまとめる。マジックテープでぺたっと留めるだけ

製品名 Amazonでの価格 メーカー
エレコム ケーブルストラップ 588円 エレコム

 強いて言うなら、ケーブルを半分の半分の半分……と折りたたんでいって、最後に半分が、中途半端に長い場合は、そこだけ三つ折りにする。これでたいていのケーブルはほとんど同じ大きさにまとめることができる。ケーブルも、折りたたまれるだけなので傷みにくい(硬いケーブルは折り返しの部分を無理にきつく折りたたまないこと)。

思い切って大量購入――がポイント

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 ポイントは靴下の時と同じ。思い切って大量に購入すること。私の自宅には、このストラップが付いているケーブルが100本以上ある。普通の人より多い方だとは思うが、「すべてのケーブルに」付けようと思うと、家の中には意外に多くのケーブルがあることに驚かされる(最初購入したときは10袋、思い切ったつもりで30本ほど購入して自宅に帰り、喜々としてストラップを整理していて、全くこれじゃ足りないという事実に気付いて愕然とした)。高いと取るか安いと取るかはお任せするが、どんなケーブルでも、それを使う可能性があるなら、使うときにすぐ取り出せるようにしておくべきだし、このストラップを付けるのがもったいないようなものは、たぶんほとんど(あるいは2度と)使わないのだから、それは後回しにして別の箱にでも入れておけばいい。

 もちろん、不要になってケーブルを捨てるときには、このストラップは外して、次に必要なものに付け替える。このストラップは汎用性が高いので、無駄になることはまずない。ちなみに、近い仕様の物は100円ショップでも購入可能。品質や使い勝手はピンキリだが、選べば使えるものも充分あると思う。これなら2000円もあれば100本は簡単に入手できる。

 私は、家電などに固定されているもの以外は、電源系・PC等の情報系・AV系と、大まかに分けて引き出しに入れている。これなら互いに絡まないのですぐに取り出せるし、形状でケーブルの種別が一目瞭然なので非常に助かる。また、どのケーブルを何本所持しているのかが把握しやすいので、不要な物の整理にも役立つ(PC周辺機器を購入すると、同じようなUSBケーブルだけは数が増える)。

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 なお、今回の方法は、高度にデリケートな音響用ケーブルなどは対象にしていない。あくまで家庭レベルの機器の話。それと、電源系ケーブルは、折りたたんだまま使用すると、それだけで発熱などの危険性が高まる。使用するときは必ず伸ばして使用すること。

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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