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» 2008年06月11日 14時10分 UPDATE

ドクトル・ピノコのプチ元気の薬:第6回 クラッときたら、そのめまいの理由を探れ!!

恋に落ちたわけでもないのに、急にめまいがしたならば要注意。体の不調からきている可能性もあるからだ。しかも、めまいが起きる原因はさまざま。今回はそんなめまいの理由を探り当てるためのアドバイスを中心にお届けする。

[ドクトル・ピノコ(企画:ソフトバンク クリエイティブ),ITmedia]
ks_pinoco6.jpg イラスト:本橋ゆうこ

 このところの私ときたら、本業の仕事が忙しくて病院に缶詰だし、原稿の締め切りに追われて某編集者には怒られるし、休みがあったってどうせオトコもいないし、お金もないし。こんなに腐っているのはきっと世界中で私だけに違いない……ああ、本当にめまいがしてきた!

 めまいといえば……皆さんはめまいを起こしたことはありませんか? 

 そもそもめまいって何? 「グルグル世界が回る」「何だかクラクラしてきて、揺れる船に乗っているみたい」といったように、いろいろな表現があると思います。患者の方が医師に「先生、なんかめまいがするんです」と言い、「具体的にどんな感じなんですか?」と聞かれて、「えーっと、どんな感じといわれても……」なんて、病院でときどきこんなやりとりを見かけます。

 どんな感じかと聞かれてもすごく表現に困ってしまうのがめまいってもんです。特に、怖い医者や意地悪な医者を目の前にすると緊張してうまく症状を説明できないなんてことも。というわけで、今日はめまいについてお話ししようと思います。

 めまいといってもその原因は実にさまざまで、医者の側からすると、そのどれに当てはまるのかを考えるため、詳しい状況を知りたいんです。だから病院に行くと質問攻めに合うこともあるかもしれませんが、こちらは決して悪気はありませんので許してね。

 めまいの中でも急を要する脳の病気なのか、耳からくるめまいなのか、血圧が関係するものなのか、忙しすぎて目が回っているのか、それとも恋に落ちてめまいがしているのか(苦笑)……原因を探るために患者からヒントがほしいわけなんです。

 最も深刻というか、急を要するめまいの原因としては頭の病気から来るめまいが挙げられます。梗塞(こうそく)や一過性脳虚血発作:TIA(脳梗塞の手前のような病態)、脳出血などでは病巣の部位や大きさによってはめまいが起こることがあります。脳出血も脳梗塞も症状がめまいだけということは少ないですが、ほかの症状と合わせて起きてきたり、後遺症としてめまい症状が残ったりすることもあります。心配な方は一度検査をしてみてもいいかもしれません。脳外科や神経内科などを受診し、必要があればCTスキャンやMRI(磁気共鳴画像装置)などの画像診断をすることになります。

頭だけじゃない! 首から耳までめまいの原因はいろいろ

 次に、首からくるめまいというものもあります。「首を動かすとめまいがする」といった症状が多いのですが、耳からくるめまいでも同様の訴えをすることがあるし、詳しい検査をしないと診断できないことが多いのです。

 病態としては、首を動かすことによって脳に行く血管がつぶされて一時的に血流が少なくなってしまうことによって起こります。血管の走行や首の骨に問題があることもありますが、動脈硬化によることもあるので「中高年・高血圧・高脂血症」に当てはまる方は要注意です!

 また、耳に原因がある場合のめまいもあります。「えっ? 耳とめまいが関係あるの?」とちょっと意外に思うかもしれません。耳の奥の「内耳」という部分にはバランスをつかさどる器官があるんです。だからここにトラブルが起こるとグルグル目が回ってしまったりフラフラしたりしてしまうんですね。

 めまいの原因が耳である場合の見分け方として、めまいに伴って何か耳の症状(耳が聞こえにくくなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、など)がある場合は耳に原因がある可能性が高いといえます。有名な病気としては「メニエール病」なんてものがありますよね。この場合には、早めに耳鼻科の受診をお勧めします。

 また、「急に振り返ったらめまいがした」「起き上がったらめまいがした」 など、急に頭の向きを変えて起こる場合には「良性発作性頭位めまい症」という、やはり耳からくるめまいが考えられます。この病気の場合は耳の症状は伴わず、めまいは放っておいても自然に治ることが多いですし、あまり心配はいりません。また受診すると状態によってはめまいを治す体操のようなものを行ったり、めまいの症状を和らげるお薬が出たりすることもあります。もちろん、いずれの病気も頭には何も問題がないことが前提ですが……。

医者に症状を伝える大切さ

 また、めまいとはちょっと違いますが、「急に立ち上がったらフラフラする」という症状の場合には「起立性低血圧」といって一時的な血圧の変化が原因なことも。さらにはいろいろな検査で何も異常がないのにめまいが続く場合、精神的ストレスが原因となっていることもあります。この場合は心療内科や精神科などに相談してみるといいですね。

 ほかにもいろいろな原因によって起こりうるのですが、ここで挙げた症状のいずれかに当てはまる場合は診断の上で大事なヒントになります。病院に行った際にはぜひ担当の医師に話してみてください。

 結局のところ、めまいにはさまざまな原因があり、どれが当てはまるのかを自分で判断するのは困難ですが、めまいで心配な方はまず頭の病気がないか調べてみるのがいいと思います。頭に問題がない場合には、首や耳、血圧などほかの原因検索が必要かもしれません。それと同時に、これはめまいに限らずいえることですが、ストレスマネジメントもお忘れなく。

 ちなみに恋によるめまいの方は、どうぞ続けてください。めまいがする程の恋は一生続くわけじゃないもんね。いつか自然に落ち着くでしょ。一度でいいからそんな恋がしてみたいもんだわ。

ポイント

  • めまいで医者にかかる際には症状をできるだけ具体的に伝えることが大切。「いつ、何をしている時、どんなめまいなのか、どのくらいの時間続くのか、初回なのか繰り返すのか、めまいに伴うほかの症状があるか」などなど。
  • 最も心配なのは頭からくるめまい。脳外科や神経内科などを受診すると、必要に応じてCTスキャンやMRIなどの画像診断をすることも。
  • ほかに、耳からくるめまいや首からくるめまい、血圧の問題、精神的なものからくるめまいなど実にさまざま。耳の症状を伴うなら耳鼻科受診を。
  • ストレスマネジメントを心がけて。

著者 ドクトル・ピノコ

女医。医大生時代には体育会に属しつつ、某社キャンペンガールや大手塾講師など数々のバイトもこなし、現在、酒と体力だけには自信アリの超体育会系の外科医として某病院にて働く。趣味は、酒、男、足裏リフレクソロジー。現在、「週刊ビジスタニュース」月イチでコラムを連載中。ぼちぼち書き仕事も募集してます。


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