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» 2008年06月13日 14時29分 UPDATE

シゴトハック研究所:明日の仕事を楽にするための3つのポイント【解決編】

明日の仕事を楽にするために“儀式”を活用してはいかがでしょう。ポイントは「15分メモ」「明日よろメール」「センタリング」の3点です。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

明日の仕事を楽にするには?

コツ:儀式を決めておく


 仕事は段取りがすべてといっても過言ではないでしょう。もちろん、すべてが段取り通りに運ぶわけではありませんが、きちんと段取りができていれば次のようなメリットが得られるからです。

  1. 取りかかる準備が整う(何から手をつければいいのかが分かる)
  2. 途切れることなくスムーズに仕事が進む(事前に必要なものがそろえられる)
  3. どこまでやれば終わりなのかが見通せる(仕事の全容が見えている)

 逆にいえば、段取りがなければ次のような事態を招きかねない、ということです。

  1. 取りかかれない(何から手をつければいいのかが分からない)
  2. 取りかかれてもスムーズに進まない(準備不足により後手の対応に追われる)
  3. どこまでやればいいのかが分からない(行き当たりばったりの結果になる)

 そうなると、「取りかかれない・進まない・分からない」という状況を脱して「整う・進む・見通せる」という状況にシフトすることを目指したいところです。

 今回はそのための段取りの方法を、「明日の仕事を楽にするための3つのポイント」として、ご紹介します。

1.15分だけ明日に予定している仕事のことを考え、メモを作る「15分メモ」

 問題編では、ウィリアムが翌日の仕事が心配で結局はそのまま仕事をしてしまう、という話がありましたが、仕事の準備に終わりはありません。やればやるほどやるべきことが出てきますから、なかなか「これで完ぺき」とはならないのです。

 そこで、お勧めしたいのが時間を決めて取り組むことです。例えば、翌日から取りかかるつもりのB社向けプレゼン資料作り、という仕事があれば、当日の退社前に15分だけ、その仕事について考えるようにします。この時、次の3つのルールを守るようにします。

  1. タイマーを使って正確に15分間のカウントダウンをしながら取り組む
  2. 考えた過程を書いて残す(紙でもPCでもOK)
  3. 終わらせない

 正確に15分間を計るのは、途中であっても中断する理由を得るためです。もともと退社間際で早く帰りたいところですから、「15分のつもりがついつい30分になってしまった」といったことが重なると、自分でやっていることにも関わらず「15分と言いながら、前回は30分以上かかったじゃないか!」という疑心暗鬼にとらわれるようになってしまいます。つまり、自分に対して不信感を抱くようになってしまうのです。

 そこで、15分たったらたとえ途中であっても例外なく中断することをタイマーという外部の強制力を駆使して実現するわけです。こうすることで「15分といったら本当に15分で終わるんだな」という実績ができますから、次回以降も「15分だけだったらやってから帰ろうか」という、取りかかりの敷居を下げられるのです。つまり、自分に対する信頼感が増すのです。これはそのまま「自信」に直結します。

 途中でやめてしまうのでは、翌日に差し支えるのではないか、と思われるかもしれません。確かにそういう面もありますが、それ以上に途中で切り上げることには意味があります。それは、「まだ途中なのに……」という名残惜しさが生じることで、翌日に「早く続きをやらなくては!」と、その仕事に取りかかるモチベーションがアップするのです。

 逆に、前日に「よし、ここまで準備ができれば完ぺきだろう」というところまで準備をし切ってしまうと、そこで満足感が得られてしまい、翌日になっても「昨日のうちに完ぺきな準備がしてあるから今日は余裕だ」という過信から、かえって取りかかりにくくなってしまうのです。

 あえて「まだ途中だ」という不安定な状態をキープすることで、やる気を翌日に繰り越すわけです。

2.明日に予定しているミーティングがあれば、参加者にメールを送る「明日よろメール」

 翌日にクライアントを交えた重要なミーティングが控えている場合なら、そのクライアントに一言「明日はよろしくお願いします」というあいさつのみのメールを送るようにします。こうすることで、直接会う前にワンクッション置くことができますから、お互いの距離感を無理なく縮めることができますし、翌日に会って話をする相手に対してメールを書くという行為を通して、相手のことを考える時間を持つことができます。つまり、心の準備ができるのです。もちろん、念のためアポイントの日時を確認する(=リマインダー)意味合いも兼ねられます。

 さらに、同席する予定の同僚や上司がいるなら、彼らにも同じように「明日はがんばりましょう」というメールを送るのもいいでしょう。チーム意識を高める上で役に立つはずです。

 いずれも、メンタル面に良い影響が期待できるものですが、これに加えてメールを書くことによって、

  • 「そういえば、これについて質問してみよう」
  • 「そういえば、あの件はどうなっていたかな?」

 などの関連情報を思い出したり思いついたりすることがあります。こうしたことをメールに書き加えるのもいいですし、ミーティングに持ち込む資料や手元のメモに控えておくのもいいでしょう。いずれも、ミーティングという限られた時間の質を高めることにつながるはずです。

3.明日の成果を受けて明後日はどのように動くかを決めておく「センタリング」

 仕事は遠くにあるゴールを目指してひたすらドリブルを続けるサッカーのようなものです。ゴールが近ければ勢いや気合でたどり着くことはできるかもしれませんが、「仕事サッカー」のゴールは遠くにあります。それゆえ、一人でドリブルを続けていては途中で息切れをしたり、敵に囲まれてボールを奪われたりしかねません。

 そこで、常に周りを見渡して、パスを出せる相手の場所を把握したり、ゴール近くまで来ているならセンタリングのチャンスをうかがったりするようにします。具体的には、翌日のことを考えるだけでなく、翌日にやろうとしている仕事の先にある行動まで考えておくことです。

 例えば、翌日のタスクリストを眺めながら、いくつかのタスクについて、「これを受けて翌々日はどのように進めようか?」という先の先を考えるようにするのです。サッカーでいえば、センタリングを受けた相手がそのままスムーズにシュートが打てるような場所に狙いを定めるようなものです。

 いくつかの重要なタスクについてだけでも、このことを意識しておくことで、“シュート”の成功率は格段にアップするはずです。やみくもにセンタリングを挙げても、結果が出せなければ無駄になってしまいます。

 以上ご紹介した「15分メモ」「明日よろメール」「センタリング」の3点は、それぞれ具体的な儀式として習慣化することをお勧めします。たまに思いついた時にやるのではなく、欠かさず続けることです。

 米大リーグで活躍するイチロー選手が、試合前に毎回同じメニューの食事を取り、決まった手順でウォーミングアップをすることで集中力を高めているそうですが、ビジネスパーソンも自分なりの儀式を決め、これを続けていけば、よりよい成果を出せるようになるはずです。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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