優秀賞を受賞したのは4作品。2007年の同アワードグランプリに輝いた「紙キレ」を制作したグループ「三人一組」は、伸びる粘着テープ「ガームテープ」で2年連続の受賞となった。
作品名 | 賞 | 概要 | 受賞者・グループ名 |
---|---|---|---|
ガームテープ | 優秀賞 | 全面にダイヤモンドのような格子状のメッシュが入っており、伸ばして使える粘着テープ | 三人一組 |
Magic Carbon | 内蔵された磁石によってクリップや画鋲を吸い込むマグネットケース。外観はおばけをモチーフにしている | Se Xin(セ・シュン)氏 | |
Red animal crayon | 絶滅危惧の動物をかたどった黒いクレヨン | 南政宏氏 | |
おれせん | インデックスとして使える折り込み式の付せん | FREQUENCE(フリークエンス) | |
優秀賞受賞作品の中から選ばれるグランプリ作品は、今回は「該当作品なし」で、これは同アワード史上初めてのこと。審査委員長の山中氏は「近年は、(作品のデザインを考える上で)環境問題への意識というのは避けて通れない。今回は“炭素”というテーマを、あえてエコロジーというのを前面には押し出さない形で設定した」とコメント。
「優秀賞に残った作品はどれもレベルの高いものだった。ただ、炭素を通しての地球規模の循環や、人間を構成する元素としてのテクノロジカルな側面と、人の身近にあって、さまざまなものに使われているという側面をあわせて俯瞰したような、“なるほど”と思わせる作品がなかった」(山中氏)。
山中氏は、表彰式後のトークショーで「今回は大変難しいテーマで、応募数も比較的少なく、どうなるかと思っていた。しかし、1次審査を終えた時点で感じたのは、過去のアワードよりもかなりレベルが高いなということ。1番いいと思ったものに素直に(グランプリを)あげればいいのでは、という議論もあったが、あえてグランプリをブランクにしたことで、来年以降さらにレベルの高いものが生まれてくると信じている」と語った。
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