企業向けWikiの新サービスとして、ベリタス・コンサルティングはDeki Wikiの提供を開始する。ファイルをドラッグ&ドロップでWikiの各ページに添付できるツールも用意し、ファイルサーバの置き換えも狙う。
海外ではビジネスの現場で使われることも増えてきたWikiだが、日本ではまだまだ「Wikipedia」のイメージが強く、ビジネスシーンへの導入が進んでいない。そんなイメージを覆そうと、ベリタス・コンサルティングが提供を開始するのがエンタープライズWikiサービスのDeki Wikiだ。
Wikiとは、簡単にWebページを作成できるだけでなく、複数人がページの内容を書き換えることができるコラボレーションツールだ。社員全員で書き込んで共有する住所録などの日常の情報共有のほか、シフト管理や会議室予約などのリソース管理、社内文書などを複数人で編集して作り上げるコラボレーションなどの用途が想定されている。
もともとベリタス・コンサルティングは、Wikiプラットフォームの1つであるPuki Wikiベースで、企業向けWikiシステムを提供していた。今回そこでの経験を元に、機能を大きく強化したDeki Wikiを企業向けに販売していく。
企業向けのWikiが理解されにくいという点も踏まえ、何かを置き換えるという点でいえば、「ファイルサーバのリプレースとして使われることを想定している」と今回のアプリケーションを共同開発したステボルディの角田英太郎氏は話す。
Deki Wikiには、ページに各種ファイルを添付できるほか、添付ファイルの内容も含めた検索機能も備える。また、添付ファイルの更新履歴を版ごとに保存、管理する機能も備える。つまり、添付されたWordファイルを各人で編集、上書きしていけば、最新版だけでなく編集前の版も自動的に保存され閲覧ができるようになる。
またWindowsのエクスプローラライクなファイル管理用ローカルアプリケーション(Windowsのみ)が付属し、ファイルをドラッグ&ドロップして、目的のページに添付したり、添付先のページを移動したりすることができる。
ただしWikiから添付ファイルを編集する場合は、いったんPCへダウンロードして編集、保存し、再度アップロードするという作業になる。また、排他制御も行えないため、複数人で同じファイルを同時に更新すると、最終更新者以外の編集内容は反映されない(編集履歴としては残るが)といった課題もある。
Deki Wikiはもともと米MindTouchのオープンソースアプリケーションで、下記のような特徴を持っている。
ベリタス・コンサルティングでは、PDF変換機能の文字化けの解消など日本語化を行い、またページ内の特定の単語を自動的に別ページへリンクする「用語集拡張」などを行っている。
「今後は、SugarCMSやSalesforceなどの出力データを、Wiki内に自動的に読み込ませられるような改良をしていく。そのためにMindTouchとコマーシャルライセンスを結んでいく予定だ」(角田氏)
サービスはASP型と、ソフトウェアライセンス型の2種類を用意する。ASP型には10ユーザー、100Mバイトまで45日間使えるお試し版も用意する。ライセンス型には、実際に社内でWikiが活用されるよう、運用ルールの策定などのコンサルティングを行う「活性化サポート」も含まれている。
プラン名 | 価格 | 容量、ユーザー数 |
---|---|---|
ASP フリープラン | 45日間無料 | 100Mバイト、10ユーザー |
ASP エントリープラン | 月額7500円 | 1Gバイト、25ユーザー |
ASP ビジネスプラン | 月額3万8500円 | 5Gバイト、100ユーザー |
ASP プレミアムビジネスプラン | 8万5000円 | 10Gバイト、200ユーザー |
アプライアンス | ソフトウェアライセンス250万円、保守費用年額42万5000円 | ※サーバは各自で用意 |
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