“食べられない米”を使って作る、生成り色のプラスチック「BTペレット」。地産地消の新しい産業にもなるかもしれない、とメーカーは期待を寄せる。
今年何かと話題になった“事故米”。問題となった農薬に汚染された米のほかにも、古くなりすぎたりカビが生えてしまった備蓄米など、相当量の“食べられない米”が日本国内には存在するといわれている。
バイオマステクノロジーのブースで展示されている「BTペレット」は、こういう食べられない米を原料に使った、バイオマスプラスチックだ。
BTペレットの主原料は、米のほか、もみ殻、木粉など。これにポリオレフィン※を加えて合成して作る。土には返らないので不要になったら焼却処理することになるが、石油素材のプラスチックに比べ、燃やしたときのCO2排出量が少ないのが特徴だ※※。
一般のプラスチックは石油相場に価格が左右されるが、米を原料とするBTペレットの場合、価格が大きく変動しないのがメリット。国産の食用でない米を材料に使うため、食用の米との競合がなく、また海外に原料を依存しないので地産地消の新しい産業としても貢献できるとする。
「一般のプラスチックよりは(値段が)高いですが、今年の夏のように原油価格が高騰すると、相対的に高くなく供給できます」(説明員)
ブースでは、BTペレットを使った文房具や、ゴミ袋などが展示されている。上の写真は、BTペレットで作ったはしとはし置きだ。BTペレットで着色せずに作るとこのような色になる。
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