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» 2012年04月16日 18時08分 UPDATE

フォローしていない人やメディアからの投稿も表示、Twitterのインタフェース変更――ディック・コストロCEO

Twitterのディック・コストロCEOが来日し、Twitterの現状や変化について話した。今後インタフェースを変更する予定で、フォローしていない人の情報でもニーズに合えば表示したり、メディアの画像投稿を優先的に表示したりするようにするという。

[青山祐輔,Business Media 誠]
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 ツイート数は3日ごとに10億ずつ増え、アクティブユーザー数は1億4千万、さらにその半数が毎日利用する――。2007年に始まったTwitterは今や、巨大かつリアルタイムのコミュニケーションプラットフォームに成長した。

 4月16日、そのTwitterのディック・コストロCEOが来日。世界や日本におけるTwitterの現状と、今後の成長ビジョンを話した。東日本大震災など大きな出来事を経て、Twitterはいかに変化していったのだろうか。

 2007年にGoogleが買収した「FeedBurner」創業メンバー兼CEOのコストロ氏は、それ以前にもいくつものシリコンバレーのスタートアップ企業を手がけてきた。2010年10月に、それまでTwitterのCEOを務めていた創業メンバーのエヴァン・ウイリアムズ氏が、製品戦略に注力するため、彼に代わってコストロ氏がCEOの職に就いた。

「バルス!」だけじゃない、日本はライブのツイート数が多い

 コストロ氏が認識するTwitterの特徴は「人と人の距離を近づけることにある」という。その特徴を、北京オリンピックのスタジアムをデザインしたアーティスト、アイ・ウェイウェイ氏の作品である「陶器でできヒマワリの種」になぞらえ、こう説明する。

 「アイ・ウェイウェイのヒマワリの種は、遠くから見ると床に散らばった無数のヒマワリの種にすぎません。ですが、近づいて見ると1つ1つが、それぞれ違う形をした、異なる種だと分かります。事件やデモのニュースをテレビで見ても、遠く自分とは関連性が薄く見えるはず。でも、Twitterを介すことで、そういった人たちと自分との距離が近づける。それがTwitterの素晴らしいところだ」

 人と人との距離を縮め、関わりを生み出すという点において、日本のTwitterユーザーは世界の中でも突出しているという。コストロ氏によると、日本ではライブでのつながりが世界中で最も頻発。1秒当たりのツイート数記録は、日本で何度も更新されているのだ。

 例えば、2010年の南アフリカワールドカップ。日本対デンマーク戦で3200TPS(1秒当たりのツイート数)を記録した。2011年の女子ワールドカップ決勝戦も記憶に新しい。こちらでは約7200TPSを記録。さらにアニメ映画「天空の城ラピュタ」の地上波放映時には2万5000TPSものツイート数を記録し、現時点でのTwitterにおける“世界最高記録”となっている。

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Twitterで起きた「アラブの春」――各国政府も利用を検討

 こうした熱狂的なツイートに加え、もっと深刻なケースもあった。東日本大震災に限らず大規模な災害発生時に、電話やテレビなどの国家的なインフラが使用不能になっても、Twitterがそれを代替したケースがある。東日本大震災でも実際、交通や電力、放射能などに関連する生活情報などをTwitter上で共有した人も多いだろう。日常生活を支えるインフラ的側面が強くなってきたのだ。

 世界各国の政府では、こうした状況を受けて将来起こり得る災害に備えて、どのようにTwitterを活用すべきか模索を始めている。Twitterにも政府からアプローチがあり、東日本大震災で得た経験を元に協力を開始。英国では学校におけるTwitterの活用について、Twitterの日本チームも参加してサポートを始めたという。今回、コストロ氏が来日した目的の1つは、今後、世界中の政府にTwitterの災害時の活用方法を伝えられるように、災害時における日本での活用事例を正しく知るためでもあるそうだ。

 コストロ氏は「Twitterは瞬時に情報を発信できる。数十分、数時間後ではなく、その直後から、まさに経験している最中に人々は発言します。だからこそ、今起きている出来事にも影響を与える力さえ持っている」という。例えば「アラブの春」に始まって、チュニジアやエジプトで起きた出来事でもTwitterが使われ、人々が集まるための連絡手段として、また世界中の人々もTwitterを介してレジスタンスに支援を表明したのである。

フォローしていない人からの情報も

 事件や事故といったイベントを「体験すること」が世界的規模で変化しつつある。モーターレースの最中に車両事故で火災が発生したところ、レース中のドライバーが社内からその模様を写真付きでツイートしたり、NBAがオールスターゲームのタンクコンテストでゴール裏に専用カメラを設置し、ダンクシュートの瞬間の写真をツイートしたりといった事例がある。このように出来事の当事者や関係者が、リアルタイムで他にはない情報を公開することで、ユーザーがリアルタイムで体験を共有し、さらなる体験の向上につながるという。

 ユーザーの体験を向上させるため、コストロ氏はTwitterの今後の進む方向として2つのポイントを示した。1つは、ユーザー自身が生きる世界の中で何が起きているのか把握するための新たなインタフェースだ。フォローしていなくてもユーザーが重要だと思う情報を表示できるようにする。ニーズに応じてパーソナライズした情報を表示するのである。

 2つめは、ユーザー体験を簡単に共有できるように、メディアや認証アカウントによる画像投稿を優先的に表示する。これによって、テレビ番組やスポーツイベント、コンサート、不測の事件などにおいて、人々がよりつながりやすく、経験を共有できるようになるという。

 最後にコストロ氏はこう話した。「TwitterはAPIを公開し、その上でさまざまなアプリやサービスなどを他の企業が構築し、ビジネスを展開するプラットフォームになっている。今後はAmazonのように他の企業がそのサービスの上で、さらにビジネスを展開できるようにしたい。そして、高度な端末から、安価な端末まで、あらゆる端末からリアルタイムで情報発信可能なプラットフォームになる」

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