インタビュー
» 2013年07月30日 15時50分 UPDATE

企業家に聞く:南場智子氏【前編】:「永久ベンチャー」で有り続ける――南場智子氏、だからこそDeNAは強い (1/3)

DeNA創業者で、現在は取締役としてDeNAの経営に携わる南場智子氏。6月に出版した『不格好経営―チームDeNAの挑戦』で驚くほど赤裸々に失敗談もつづっている。南場氏が本書に込めた思いを聞いた。

[まつもとあつし,Business Media 誠]

 南場智子氏――DeNA創業者で、現在は取締役としてDeNAの経営に携わる。南場氏が6月に出版した『不格好経営―チームDeNAの挑戦』(日本経済新聞出版社・刊)は12万部を超えるベストセラーになっている。ソーシャルゲーム事業で比類ない地位を築いたDeNAだが、ここに至る道のりはライバル企業や資金繰りとの戦いの連続で、決して平らなものではなかった。驚くほど赤裸々に失敗談もつづられた本書に、南場氏が込めた思いを聞いた。

思いを伝え誤解を解きたかった

『ネットゲイン(ネットで儲けろ)』 『ネットゲイン(ネットで儲けろ)』1997年に日経BPから刊行。当時マッキンゼーに在籍していた南場氏が監修を行っている。ネット黎明期の1冊だが現在のネットビジネスの基本構造を予見した良著だ

まつもと メディアへの露出も多い南場さんは、1997年に出版した書籍『ネットゲイン(ネットで儲けろ)』の日本語版監修をされていますが、単著は初めてなんですね。『不格好経営―チームDeNAの挑戦』はタイトル通りDeNAの創業から現在までの七転八倒の模様が赤裸々に語られていますが、この時期に刊行した理由はなんでしょうか?

南場 確かにネットゲインで書かれたことと現在の状況は大きくは変わっていないですね。『不格好経営―チームDeNAの挑戦』を書いた理由は2つあります。1つは社内に対して、DeNAは今では社員数が約2100人(連結、2013年3月時点)となり、最近はどこにアポを取ろうとしても断られなくなりました。でも、創業したころは、営業のときなんかも「リクルートとソネットが出資しているDeNAです」という具合に話さないと電話をガチャ切りされたりしました(笑)。

 DeNAが黒字化し、上場した後に入って来た社員も増えました。尊敬や感謝を忘れないことの大切さの一例ではありますが、「電話を切られないこと、アポを取って会ってもらえること」のありがたさを改めて伝えたい。今はそういうタイミングだと考えました。

shk_nanba02.jpg 南場智子氏

 かつてわれわれがそうだったような創業間もない小さな会社との取引も増えました。会社が大きくなり影響力が増した今、つまりDeNAが社会的な存在となった今、傲慢(ごうまん)であったり、そう誤解されてるようであってはいけない、と。

まつもと なるほど。本書でも「南場カンパニーか公器か」という印象的な章が設けられていますね。本書には守安社長はじめさまざまな人物が登場しますが、思考のスピードが速く、目的に対して貪欲=優秀であればあるほど、そう取られてしまうリスクは大きくなるのかもしれません。

南場 事業が多岐に渡り大きくなるほど、社会との接点も増えますからね。あともう1つは、今の話とも関連しますが、DeNAが誤解されている部分があるというのを、社長を退任して会社を外から見る機会が増えたことによって、気が付く機会が増えました。それに対してDeNAは本当はこういう会社なんです、というのを知らせたかった。それは就職を考えている人に対してもそうで、中の雰囲気やDeNAが大事にしていることをそのまま伝えたいと。

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