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» 2014年01月23日 11時00分 UPDATE

プレゼンにインパクトが足りない? ならばプロジェクションマッピングだ!

通りすがりの人が思わず足を止めるような、パンチの効いたプレゼンはできないものか――。そんなときこそプロジェクションマッピングの出番だ。段ボールと下敷き、洗濯ばさみ、小型プロジェクター、三脚、iPadを用意して、さぁ、やってみよう。

[広田稔,Business Media 誠]

 まずは、何もいわずにこの動画を再生してほしい。

 動画を視聴できない環境にいる人のために解説すると、モバイルプロジェクターを利用して、iPadの映像を段ボールと網入りの下敷きに投影することで実現した初音ミクのライブだ。

 これがスゴいのは、1つのプロジェクターで出演者とステージ、背景という3つの要素を映しだしているところ。出演者/ステージ/背景で分けた専用動画を作成し、それぞれの投影場所をプロジェクションマッピングアプリで指定することで、「2次元なのに3次元!」というイメージを見せているのだ。普通にプロジェクターでスクリーンに投影すると、映像は平面にぺたっと表示されるだけ。ちょっとした工夫でこんな表現が可能になるのは驚きだ。

sa_q01.jpgPhoto 動画の投稿者はaiminoさん。写真で見るとこんな感じになる。実際の初音ミクのライブでも、透明ボードに3Dキャラ映像を背後から投影することでステージに立っているように見せている

sa_q03.jpgPhoto 斜めから見たところ。ほぼ真横から見ると平面になってしまうが、正面から左右45度ぐらいはかなり実在感がある

Photo プロジェクターは正面からではなく、三脚に固定して斜め上から投影する仕組みだ
sa_q06.jpgPhoto スクリーンは、2枚の段ボールと網戸を挟んだ透明な下敷き。段ボールはなんとAmazon.co.jpでおなじみの中敷きだ。網戸のアイデアは、ニコニコ技術部のアミッドPが考案した「アミッドスクリーン」から来ている(写真=左)。プロジェクターは、アドトロンテクノロジーのLEDモバイルプロジェクター「QUMI」シリーズ。aiminoさんが持っているのは2011年発売の「QUMI Q2」だが、今回は2012年にリリースされた最新モデル「QUMI Q5」で試した。重さ490グラムと軽いため、三脚に鋭角に固定できる(写真=右)

sa_q08.jpgPhoto アプリは、aiminoさんオリジナルの「Prspctv」。画像や動画を読み込み、四辺をドラッグして投影場所の四角形に合わせられる。画像は複数読み込めるが、動画は1つだけなので、出演者/背面/ステージを1つにまとめた映像を作成し、3つに切り出している(UVマッピング)。価格は350円

 プロジェクションマッピングといえば、東京駅(2012年9月)の「TOKYO STATION VISION」、鶴ヶ城(2013年3月)の「鶴ヶ城プロジェクションマッピング『はるか』」など、大がかりなものが注目を集めている。それを可能な限り小さなシステムで、しかも個人でやってしまったところが面白い。

 冒頭の動画は2013年2月、ニコニコ動画に投稿された作品なので、ネットに詳しい人はご存じかもしれないが、初めて見た人は「こんなことができるんだ!」と驚いたのではないだろうか。

 しかも、特別な機材を使っているわけではないので、やる気さえあれば誰でも同じことが再現できる。ということは、プロジェクションマッピングを使って“パンチの効いたプレゼン”をやろうと思えばできてしまうわけだ。

 そこでまずは、プロジェクションマッピングプレゼンの最初の一歩として、Microsoft PowerPointの文字をぐるぐる回してみることにした。

遊びながら“回る文字のプレゼンデータ”を作ってみよう

sa_q10.jpgPhoto まずはPowerPointで素材を作成する。作成した素材はファイルメニューからMPEG-4の動画として書き出すと、iTunesでそのままiPadに転送できる。背景とステージはアプリのテンプレートをそのまま流用。透明スクリーン部分にはアニメーション付きの文字や図形を入れてみた。スクリーン部分は、黒い四角形を背面に敷いておくと投影したときに違和感なく見える

sa_q12.jpgPhoto プロジェクターは斜め上から投影するようにセッティング。iPad miniとHDMIアダプタで接続し、QUMIのリモコンでHDMI入力に切り替える。ちなみにQUMIは無線でもiPadとつなげるが、iPadの画面をそのまま投影するミラーリングではないため、今回の用途に適さない

sa_q14.jpgPhoto ポリゴンの四辺を動かして背景の投影位置を調整した後、画像を割り当てる。投影位置が画面の端を超える場合は、プロジェクターを前後に動かして調整すべし

sa_q16.jpgPhoto 同様にステージと透明スクリーンを設定。透明スクリーンには動画を割り当てる。最後に「Play Movie」を押して、「Hide Menu」でメニューを隠そう

Photo 普通にプロジェクターで映すとこんな感じのプレゼンも……
Photo 立体で投影すると、ちょっと面白い見え方になります。ね、意外とカンタンでしょ?

“人を立ち止まらせる”プレゼンができるかも

 ビジネスシーンでのプロジェクターといえば、プレゼンテーション用ツールとしての活用がメインだ。見た人に“面白い”と思わせて印象づけるという点では、このプロジェクションマッピングはかなり優秀なはず。実際、Nokiaの「Lumia 800」やHyundaiの「Accent」など、大がかりなプレゼンで使われた例もある。

 ここ数年で3Dスキャナや3Dプリンタ、ヘッドマウントディスプレイなどといった新世代のハードウェアが相次いで登場し、立体を使った映像表現が増えている。そんな中、プロジェクションマッピングを使ったプレゼンテーションは、展示会や学会、学園祭など、“据え置きで何かを見せるシチュエーション”で、通りがかりの人を引きつける強力なフックになりそうだ。

 まぁ、そんないいわけはともかく、プロジェクションマッピングは遊びとしても面白い。ひと味違うプレゼンでインパクトを与えたい! と考えているなら、アプリとプロジェクターをゲットしてお試しあれ。

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