コラム
» 2014年11月17日 12時30分 UPDATE

半径300メートルのIT:LINEを使わない情シスなんてあり得ない

個人向けのクラウドサービスは無料で便利です。しかし、会社で使うにはセキュリティ上のリスクが……。だからこそ、情シスは積極的に使ってみるべきなのです。

[宮田健,Business Media 誠]

 “中小企業の情報システム担当が「LINEを知らない」「使ったことがない」なんていうのはあり得ません”――こんなことを書くと、脊髄がピクッとする読者が多いことでしょう。

 しかし、情報システム担当者こそ、LINEをはじめとするネット上の便利なサービスを、いち早く体感しておく必要があります。

個人で使って便利なサービスは、仕事でも使いたい

LINE LINE

 スマホの普及とともにチャットツールを使う人が増えました。リアルタイムに会話できるチャットは、家族や知人同士の連絡には大変便利なもの。一度使いだすと、以前のコミュニケーションツールに戻れなくなるというのも分かります。

 実は、チャットはビジネスシーンでも便利なのです。メールでは必須といわれる「いつもお世話になっております」「どうぞよろしくお願いいたします」といった、余計で堅苦しいあいさつを抜きに、本題のみをやりとりできるからです。TPOに応じた使い分けですね。

 仕事でも取り入れたいツールは、チャットだけではありません。DropboxやOneDriveといったクラウドストレージをプライベートで活用している人も多いことでしょう。旅行の写真だとか、ちょっとしたデータの交換をUSBメモリで行う人は減っていると思います。ひょっとしたら「会社ではUSBメモリが使用不可になったので、資料を個人で使ってるクラウドサービス経由で渡す」という人もいるかも?

 スマホやクラウドで使えるサービスは、無料であってもかなり便利な機能を提供します。特に今後入社してくる新入社員は、学生時代にそんなサービスをフル活用している経験者たちです。一見、地味で目立たない新入社員でも、ネット経由で活発に仕事をこなしている可能性もありますね。

便利なサービスは、情シスが率先して使って見るべし

 そんな便利な最近のサービスを社内でひっそり利用されてしまうと、情報システム担当者としては困ったことになります。

 前述のUSBメモリの使用禁止は、それが情報漏えいやウイルスの感染源として危険視されたからです。不便を強いられた従業員はこっそりとクラウドファイル交換サービスを使うようになります。たとえ正当な理由があったとしても、企業が便利なものを禁止をすれば、社員はそれに代わる抜け道を探し出します。気が付いたら情報システム部が知らないサービスをフル活用していた……なんてことも増えるでしょう。

 LINEはここ最近、アカウント乗っ取りの話題がテレビのニュースになるほどに問題視され、台湾総統府が政府内の情報システムでLINEの使用を禁止するというニュース(参照リンク)もありました。個人での利用はともかく、ビジネスシーンで使うにはリスクが大きいということは否定しにくいところです。

 前もってチャットサービスの何が便利で、何がリスクなのかを分かっていれば、もう少し前に対策できたのではないかと筆者は考えています。それゆえ、情シスは、新しくて便利そうなサービスを社員よりも早く使っておく必要があるのです(ただし、会社の外で)。

 個人で使ってみて便利なサービスならば、仕事で使っても便利な可能性が高いのは当然です。メリットとリスクが把握できてこそ「これ、仕事で使えないかな?」「同じことができて、リスクが少ないツールはないかな?」に進めます。情シスの仕事は、社員をガンジガラメに縛るだけではなく、便利なITツールの導入を提案すること。まずは、情シスが新しいツールを「楽しんでみる」ことが重要です。

 そんなデキる情シスがいる会社って楽しそうですね。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。


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