コラム
» 2015年03月16日 13時00分 UPDATE

半径300メートルのIT:「売上報告_最新_最終版コピー(2)_old決定版.xlsx」の悩み

ファイルサーバの中にある同じような名前を持つエクセルファイル。「決定版の最新版」よりも「編集中のコピー(2)」のほうが最新版だなんてこと、ありませんか?

[宮田健,Business Media 誠]

 先週、セキュリティをテーマにしたパネルディスカッションのモデレーターを務めました。パネリストには、ソフトバンク・テクノロジーの辻伸弘さん、インターネットイニシアティブの根岸征史さん、ラックの川口洋さんという多忙な3人が登壇。なかなか顔を合わせた打ち合わせができず、事前の意識合わせには「クラウド」がとても役に立ちました。

Googleドキュメントは単なる「無料Office」ではない

 「Googleドキュメント」という、Googleが提供する無料サービスがあります。Googleアカウントがあれば、だれでも簡単にPCやスマホ、タブレット端末などで利用できるクラウド版のオフィススイートです。

Googleドキュメント

 「オンラインで意識を合わせるならチャットツールのほうが便利では?」という読者も多いかもしれません。確かに、Facebookメッセンジャーなどで「最初の話題はこれで行きましょう」「では私はこのネタをしゃべるので、いい振り方をしてください」なんていうやりとりをすれば、遠隔地でも打ち合わせができます。

 しかし、メモをみんなで書き込み、全員がそれを見ながら進めれば意識合わせはもっと楽になります。何よりも打ち合わせが終わった後で、その内容を振り返ることも簡単です。

 Googleドキュメントが優れているポイントは、1つの文書を参加者みんなで「共有」して、同時に編集が行えることです。画面上には異なる色に分かれた複数のカーソルが出現します。それぞれが参加者に割り当てられていて、誰かが書き込むとリアルタイムに同期されていきます。「ノート(コメント)」を使えば共同編集者に指示も出せます。

Googleドキュメント

部長、そのコピペ作業に意味がありますか?

 ちょっとしたたとえ話をしましょう。あなたは3つの営業課を統括する部長です。それぞれの課長に、今月の売上をレポートしてもらう必要があります。

 いままでのやり方だと、売上リポートのひな形を3つ“コピー”して、課長それぞれに「担当部分を埋めて、返信するように」という指示とともにファイルを添付して、メールを送っていました。でも、この方法では送られてきた3つのシートの数字を、誰かが1つのシートにまとめる必要があります。このコピペ作業でもし間違った場所に書き込んでしまったら大変です。

Googleドキュメント

 Googleドキュメントを使えば、3人の課長が1つの「スプレッドシート」を共有して、各々が好きなタイミングで情報を埋めていけばいいわけです。カーソルが複数表示され、他の課長がどこまで記入しているのかも一目瞭然。「どうせあいつは締め切りを守らないだろうから、こっちもちょっとくらい遅れても大丈夫だろう」なんてことはできませんね。

 いまや、ほとんどの業務がチームワークです。売上リポートのみならず、会議の議事録など「みんなで1つのドキュメントを作って共有する」場合、クラウドサービスの活用は便利です。そしてワークフローが大きく改善できるのです。

 例えば、ファイルサーバ上で目当ての資料を探すとき、「最新」「最終版」「(2)」「コピー」というキーワードが付いた似たようなファイルがたくさん存在することってありませんか? 更新日付などのヒントから「これが最新版だろう」と思って開いてみたら、本当の最新版は部長がローカル環境で編集中なんてことも。

 いまどきの働き方に合わせていくなら、ファイルはコピーするものではなく、共同編集するものだと思考体系を切り替えていきましょう。ただし、共有範囲の設定はお間違えなく。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。みなさんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。

さらにありがたいことに、誠ブログの読者からも書評が届いています。こちらもぜひ、ご覧ください。


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