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» 2015年03月31日 05時00分 UPDATE

頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた:専門用語を使いこなそう (1/2)

「専門用語を使わずに分かりやすく説明する」というのは大事なことですが、使う場面と相手によっては専門用語を交えたほうが、話は早く進みます。

[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた」から一部抜粋・編集して掲載しています。


 原稿の執筆依頼を受けるとき、「できる限り分かりやすく、専門用語を使わないで書いてください」とリクエストをされることがあります。普段から専門用語オンパレードの文章に慣れているせいか、自分でも意識しないところで専門用語が紛れ込んでしまうのかもしれません。

初心者対象なら使わない

 経理の勉強や簿記の勉強をする際に、なるべく専門用語を使っていない教科書(例:「小学生でもわかる」や「サルでもわかる」などのタイトルの本)を探した経験がないでしょうか? 私も何か新しいことを勉強するときには、分かりやすく書かれていそうな参考書を探します。

 分かりやすい本は、たいてい専門用語を使わずに説明をしています。例えば、簿記で最初に遭遇する専門用語は「借方」「貸方」です。なぜ「借方」が左側で「貸方」が右側なのか、とくに理屈があるわけではありません。たまたま昔の商人たちが慣習でお金を借りてくれた人を左側で、お金を貸してくれた人を右側に記載していたことから、「借方」が左側で「貸方」が右側になりました。

 専門用語を使わない参考書では、「借方」と「貸方」は、仕訳の左側と右側というように説明しています。

 最初に簿記の知識を覚えるときには、左側と右側でよいでしょう。でも、慣れてくると左側と右側よりは、「借方」「貸方」という専門用語を使ったほうが便利なことに誰でも気付きます。例えば、上司に仕訳を確認するとき「左側が売掛金で右側が売上でよろしいでしょうか?」と聞く人はいないと思います。「借方が売掛金で貸方が売上でよろしいでしょうか?」と聞いているはずです。

 専門用語が苦手な人でも、専門家との会話では専門用語を使ってコミュニケーションをとっているはずです。専門用語を使わないと「仕事ができない人」という烙印を押される恐れがあるのと、専門用語を使うと円滑にコミュニケーションができるからです。

 専門用語を使わないで表現をすることが歓迎されるのは、あくまでも勉強を始めたばかりの初心者や、専門外の人が参加しているコミュニティ内だけです。

専門用語が好まれる場面

 ときには会話が専門用語のオンパレードになることがあります。顧問税理士や顧問会計士も参加するような、専門家同士での決算打合せのような場合です。

 さすがに経理を始めたばかりの人は、そこで話している内容がすぐには理解できないと思います。私も以前はそうでした。話している内容が理解できないとあいづちすら打てません。専門家同士では、専門用語により正確に相手に伝えることができるのと、濃密なコミュニケーショができるからです。

 私は、専門用語というのは言語の1つだと思っています。言語の1つだからこそ、専門用語が分からない人との会話には、日本語を使う人と英語を使う人の会話のように「通訳」をつける必要があるのです。

 専門家同士の会話は日本語圏の人にとっての英語圏での会話に似ています。英語圏での会話に日本語圏の人がいるとコミュニケーションのスピードが落ちてしまいます。時間を大事にする専門家は、日本語と英語が混ざった会話を好まないのです。

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