コラム
» 2015年09月02日 07時00分 UPDATE

「人の役に立ちたい」という志望理由がダメな理由 (1/3)

「人の役に立つ仕事がしたいのです」――。面接練習においてこう述べる人に、必ずその具体的説明をしてもらうようにするのですが、これまでそれを明確に説明できた人とは、学生だけでなく社会人ですらほとんど会ったことがありません。

[増沢隆太,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。


「人の役に立つ」って何?

 エントリーシート添削や面接練習においてこう述べる人に、必ずその具体的説明をしてもらうようにするのですが、これまでそれを明確に説明できた人とは、学生だけでなく社会人ですらほとんど会ったことがありません。「人の役に立つ」「社会貢献」を志望動機に挙げる人はゴマンといますが、その志望動機自体を具体的に説明できないのです。

 志望動機は企業が選考する上では最重要ポイントの1つ。具体的な説明もできないということは、そこがグラグラに揺らいでいると思われても仕方ありません。一番アピールしなければならないことがアピールとして成立していないのです。ではなぜこのような志望動機を語る人は多いのでしょう。

 単に理由を聞き出すだけでなく、私はキャリア「カウンセリング」を行っていますので、そうした行動・思考に至った心のあり方のようなものが見えてきます。実際に一番多い理由は「それが正しいと思ったから」だといえます。就活マニュアル、ノウハウの例でも、「人の役に立つ」「社会貢献」は堂々たる王道の模範例としてたくさん見受けられます。

 もし人の役に立ちたいのであれば、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェット並みにがんばって仕事で大成功して、大金持ちになって、社会に還元するのがてっとり早いのではないでしょうか。あるいは介護福祉の施設などでヘルパーなどの仕事に就くのはどうでしょう。常に人手不足で募集があります。これらこそ本当に求められ、役に立てる仕事だと思います。しかし圧倒的多くの場合、日本を代表するメーカー、金融、商社といった企業への志望理由でこれらは登場します。

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