「稼ぐ力」――。このフレーズが注目を浴びそうである。
アベノミクスの新たな成長戦略(日本再興戦略 改訂2015〈素案〉)の中で、この「稼ぐ力」というフレーズが何度も登場しているが、一体どういったものなのか。
素案には「スピード感ある大胆な挑戦に踏み切るかどうかが勝敗を分ける鍵」などと書かれているが、現場で働くビジネスパーソンにとっては“自分ごと”として受け止めることは難しい。明日から……いや、今日から「稼ぐ力」を高めるには、どうしたらいいのか。
そんなことを考えていたら、リクルートでフェローとして活躍し、その後中学校の校長を務めた藤原和博氏が、ビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)で「稼ぐ力」について講演することを聞いたので、当日“楽屋”を訪問することに。
「稼ぐ力」がある人にはどのような共通点があるのか。「稼ぐ力」がない人たちは、どのようにすれば「稼ぐ力」を養うことができるのか。そんな話をうかがってきた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
→なぜ、あの人は「稼ぐ力」があるのか? 1万分の1の存在になる方法(前編)
→本記事、後編
土肥: 前回、藤原さんに「稼ぐ力」を養うにはどうすればいいのか、といった話をうかがいました。キーワードは「希少性」。ある分野を習得するために1万時間を使う。そうすることによって、その分野で100人の中の1人の存在になれる。そして、もう1つの分野で100人の中の1人の存在になることができれば、100分の1×100分の1ということで、1万人の中の1人になれるといった話をされました。
“掛け算”のチカラを使えば、希少性という強みを手にすることができる、というわけですよね。でも読者の中には、さらに上を目指している人がいると思うんですよ。「いやいや、オレは1万人の中の1人じゃ物足りない。100万人の中の1人の存在になりたい」という人に、アドバイスをいただけますか?
藤原: 営業の仕事をしていて100人の中の1人の存在になることができれば、次に近いところ……例えば販売で100人の中の1人の存在を目指すべき。前回はそんな話をさせていただきましたが、では100万人の中の1人の存在になるにはどうすればいいのか。次も掛け算で勝負すべきなんです。
土肥: ということは、違う分野で100人の中の1人の存在になる?
藤原: はい。100分の1×100分の1=1万分の1ですが、さらに100分の1を掛ければ……100万分の1の存在になることができます。5年〜10年の時間をかけて、営業と販売の分野で100人の中の1人の存在になることができれば、次はちょっと遠い分野を考えてください。
土肥: どういう意味でしょうか?
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