バルミューダといえば、数年前に発売した高級扇風機「GreenFan(グリーンファン)」を思い出す人も多いのでは。当時、同社は倒産危機に追い込まれていたが、この商品がヒットしたことによって息を吹き返したのだ。市場に旋風を巻き込んだグリーンファンと比較して、新商品の「BALMUDA The Toaster」(以下、ザ・トースター)の予約注文は20倍ほどだという。
“ヒット商品仲間入り”の香りがぷんぷん漂うトースターは、どのようにして開発されたのか。大手家電メーカーがつくれなくて、なぜ小さな会社のバルミューダがつくれたのか。社長の寺尾玄(てらお・げん)さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
→ヒットの香りがプンプン漂う「ザ・トースター」は、どのようにして完成したのか(前編)
→本記事、後編
土肥: バルミューダは、食パンやフランスパンなどが“しっとり感”を保ったまま、焦げる手前の焼き加減で仕上がるトースターを開発されました。前回は、数々の困難を乗り越えて完成した……といった話を中心にうかがいましたが、ちょっと疑問があります。
家電量販店のトースター売り場に行くと、たくさんの商品が並んでいます。像さんのマークや虎さんのマークが入った商品など、ほとんどのモノが大手メーカー。しかも昔から機能はほとんど変わっていません。
トースターを使ったことがある人であれば、一度はこのような経験をしていると思うんですよ。1枚目のパンを焼くときには3分かかった。じゃあ、2枚目も3分で……としたのに、焦がしてしまったことが。
開発している人たちは、こうした問題があることは分かっているはずなのに、それが解決されてこなかった。解決しようとしたのにできなかったのか、そもそも解決するつもりがなかったのか分かりませんが、バルミューダはそれを解決された。
大手メーカーでできなかったことが、なぜ従業員50人ほどの小さな会社でできたのでしょうか?
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