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» 2015年10月02日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:秋は鉄道イベントの季節 そこにある2つの意味 (1/5)

9月から11月にかけて、鉄道会社主催のイベントが増える。全国各地から鉄道ファンが訪れ、沿線の人々も遊びに来る。なぜ鉄道会社はイベントを開催するか。そして来場者はそこでどう楽しみ、何を学べきか。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


「鉄道の日」イベントは100以上

 明治5年の鉄道開業は旧暦の9月12日。新暦だと10月14日。それから長い間、鉄道にとって10月は節目の月だった。かつて鉄道の大規模ダイヤ改正は10月に行われていた。これは鉄道開業から1年ごとにダイヤを見直した経緯があるからだ。

 現在のように3月下旬にダイヤ改正が実施されるようになった理由は、春の新生活に合わせて、というよりも、整備新幹線の開業に合わせたからだ。整備新幹線は国の事業だから会計年度に合わせている。山陽新幹線や東北新幹線の開業に合わせて3月に改正しつつ、10月に他の在来線のダイヤ改正を実施していく。国鉄からJRグループへの分割民営化は1987年4月。そして瀬戸大橋や青函トンネルの開通以降、JRグループの大規模ダイヤ改正は3月改正に落ち着いた。ダイヤ改正はJRグループの企業年度と一致している。

 ただし今でも10月は鉄道にとって節目の月であることに変わりはない。特に開業日の10月14日は「鉄道記念日」である。1922(大正11)年に鉄道省が制定し、国鉄も「日本国有鉄道の日」として、優秀社員の表彰式などを実施してきた。この習慣はJRグループにも継承された。現在のように一般参加型のイベントが開催されたきっかけは、1994年に運輸省(現・国土交通省)が「鉄道記念日」を「鉄道の日」に改めてから。「JRだけではなく、日本の鉄道会社すべてが参加できる記念日に」という意図があった。

 鉄道の日の象徴的なイベントとして「鉄道フェスティバル」がある。1994年の第1回は秋葉原駅付近の神田市場跡地広場、第2回以降は日比谷公園で実施されている。2012年のみ明治公園で開催された。今年は日比谷公園で、10月10日と11日の2日間にわたって開催される予定だ。ステージイベントのほか、全国の鉄道会社がテントを設置し、グッズや鉄道部品を販売する。

 鉄道フェスティバルの発展に合わせて、全国各地の鉄道会社も自社イベントを開催し始めた。大手私鉄やJRでは以前から車両基地公開などを実施していたけれど、国土交通省が鉄道の日を奨励したことから、イベント数は増えていった。各社の公式Webサイトの発表を数えてみたら、10月だけで84もあった。11月も合わせると93。実際には100以上のイベントがあると思われる。鉄道趣味要素の薄い「駅前広場の特産物販売」などは省いているし、地元の来場者を優先するために、ネットに公開せず、駅貼りポスターでのみ告知というイベントも多いからだ(関連リンク)

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