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» 2016年01月15日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:青函トンネル「貨物新幹線」構想が導く鉄道の未来 (1/4)

北海道新幹線は青函トンネルを在来線の貨物列車と共用する。そのために本来の性能である時速260キロメートルを出せない。そこで国土交通省と関係各社は新幹線タイプの貨物列車を検討している。これは北海道新幹線の救済策だけではない。日本の鉄道貨物輸送の大改革につながるだろう。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


元日にふさわしい記事だった

 北海道新幹線を成功させるために、JRグループは今年に入って北海道新幹線を利用できるきっぷを次々に発表した。前回、青春18きっぷを巻き込んだJRグループの総力戦だ、という話をした

 こうした施策を打ち出す一方で、JR北海道は「青函回数券」「北東北フリーきっぷ」など青函トンネル経由で本州へ往復する企画乗車券をバッサリと切り捨て、「北海道フリーパス」から新幹線を除外するなど“きっぷのリストラ”も行う。本当はこれらも価格改定の上で北海道新幹線を対象にしてほしかった。もっとも、こちらの動きは快速エアポートの座席指定料金の改定などと連動したJR北海道の収益改善策と言えそうだ。北海道新幹線関連については今後の追加に期待したい。

 北海道新幹線に話を戻すと、JRグループが旅客営業施策を打ち立てる一方で、貨物に対しても動きがあった。「貨物新幹線計画」だ。1月1日の北海道新聞が報じている(関連記事)。これによると、国土交通省とJR北海道、JR東日本、JR貨物などが参画するという。国土交通省がとりまとめ役として動き出した、という印象だ。官公庁の御用納めは12月28日だから、直前の取材ではなく、かねてより温めていた情報を元旦に載せて、紙面に未来の希望を添えたと言える。

平行道路がない青函区間は鉄道貨物のシェアが高い(出典:国土交通省 交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会 整備新幹線小委員会<第2回> 資料4) 平行道路がない青函区間は鉄道貨物のシェアが高い(出典:国土交通省 交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会 整備新幹線小委員会<第2回> 資料4
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