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» 2016年01月22日 08時00分 UPDATE

杉山淳一の「週刊鉄道経済」:鉄道業界に急増する「サービス介助士」とは? (1/3)

鉄道会社で「サービス介助士」の導入が進んでいる。2015年12月に、阪神電鉄のすべての駅係員、車掌、運転士がサービス介助士の資格を取得した。サービス介助士とはどんな資格で、なぜ鉄道会社に注目されているのだろう。

[杉山淳一,ITmedia]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP


阪神電鉄に773人の「サービス介助士」がいる

 阪神電鉄は1月18日、Facebookページ「阪神電鉄 沿線活性化担当」において、「すべての駅係員および乗務員がサービス介助士の資格を取得しました」と発表した。2013年からCS(顧客満足)向上活動の一環として資格取得に取り組み、乗客とふれ合う職員すべてが「サービス介助士」になった。1月19日現在、この記事には381の「いいね」、31の「超いいね」、3つの「すごいね」、1つの「うけるね」を獲得している。

 阪神電鉄では1月1日より、すべての運転士の名札に「サービス介助士」の文字とシンボルマークが入っている。駅係員、車掌については既に実施済みとのこと。阪神電鉄によると、2年前の2013年12月までに、駅長以下すべての駅係員がサービス介助士の資格を取得し、2014年1月1日から名札に表示。同年12月までにすべての車掌がサービス介助士の資格を取得し、2015年1月1日から名札に表示している。今回は運転士だから、3年間、3段階でお客さまに対応する職員全員が資格を取得したわけだ。

 サービス介助士は、NPO法人日本ケアフィットサービス協会が認定する資格で、高齢者の人や体の不自由な人を手伝う「おもてなしの心」と「介助技術」について、正しい知識と運用方法を会得した人に与えられるという。介助が必要な人がいる場合、他社では「サービス介助士」などの資格を持つ人を「担当者」として対処する。阪神電鉄の場合は、制服を着たすべての職員が資格を持っているから、利用者が誰に声を掛けても対処できる。

サービス介助士は「心」と「技術」を心得た人(出典:日本ケアフィット共育機構) サービス介助士は「心」と「技術」を心得た人(出典:日本ケアフィット共育機構

 この情報は、阪神電鉄の公式サイトでは2015年12月25日にプレスリリースとして公開されていた。その時はまだ「駅係員と車掌は取得済みで、年内に全運転士がサービス介助士の資格を取得する見込み」という情報だった。Facebookページの記事はその続報で、資格取得は無事完了したという知らせである。前日の1月17日は、阪神・淡路大震災から21年目にあたる。記事はその翌営業日だ。偶然かもしれないけれど、復興をきっかけとした、全社的なCS向上の取り組みを象徴したように見えた。

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