「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2016年02月04日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


日本人が想像する以上に「中南米」は危険なのか!? (出典:外務省)

 今、中南米が注目されている。

 その理由は、最近日本でも取り上げられている「ジカ熱」である。蚊を媒介して感染するこの感染病は基本的には風邪のような症状が出るのだが、何か別の持病をもっているような人でない限り、命にかかわることはない。だが妊婦がジカ熱にかかると、先天的に頭の小さい「小頭症」の赤ん坊が生まれる可能性があり、米疫病対策センターは2016年1月はじめに、特に妊婦に対して中南米14の国と地域への渡航を避けるよう警告している。

 300万〜400万人に感染する可能性が指摘される非常に危険なウィルスであり、コロンビアとジャマイカでは女性に妊娠を“延期”するよう呼びかけているほどだ。

 だがそんなニュースの陰で、中南米にとってはもっと深刻だと言われる問題が話題になっている。犯罪である。

 中南米が危険、という話は新しくはない。しかし2016年1月にメキシコの公安刑事司法市民評議会(CCSP-JP)によって公表された最新調査によれば、その実情は私たちが想像する以上に深刻である。そしてその状況を好転させうる切り札の1つとして日本の意外な”文化”が期待されていることはあまり知られていない。

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