筆者が先日購入したパナソニックの「ER-GN10」という商品は、価格1000円程度であるにもかかわらず、マーケティングにおいて創意工夫に満ちています。
まず、パッケージでは、これはパナソニックの商品に限りませんが、鼻毛カッターではなく「エチケットカッター」というネーミングになっています。キャッチコピーも「フェイスグルーミングがこれ1台で!」とあり、「顔の処理」などのダイレクトな表現を用いていません。なお、グルーミングという言葉は、一般にはペットショップで犬などに対する被毛の手入れを指す場合が多いようです。イメージを変える、もしくは和らげるために、片仮名は便利であるとあらためて感じます。
さらに、パッケージには「鼻」「マユ」「ヒゲ」「耳」という4つの抽象化されたイラストが掲載されています。カッターの形状などから判断すると主たる用途は鼻だと思うのですが、それ以外の部分にも使えるということを大々的にアピールしています。
しかし、こうした鼻以外のイラストは、幅広い利便性の訴求というよりも、むしろ鼻毛への注目を緩和させる「オトリ効果」を狙っているのではないでしょうか。つまり、消費者がレジで精算する際に、店員に対して「鼻毛処理用としてではなく、ヒゲの手入れのために購入する」とアピール可能な「気休め」を与えてくれるということです。
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