お客はチラホラなのに、なぜビアードパパはインドネシアで絶好調なのか水曜インタビュー劇場(サクサク公演)(1/7 ページ)

» 2016年03月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 いきなりだが、中高年の人にお聞きしたい。子どものころに食べたシュークリームってどんなモノだった? と聞くと、ほとんどの人が「シューがフワフワだったなあ」と答えるはず。しかし、若い人に聞くと違う。「シューがフワフワだったなあ」と答える人もいるだろうが、「いやいや、シューはサクサクでしょ」と反論する声が出てくるはずだ。

 なぜ、世代によって意見が分かれるのか。その答えは、1999年にまでさかのぼらなければいけない。その年に何があったかというと、「黄色い看板にヒゲのおじいさん」が目印のシュークリーム店が誕生したのだ。「ビアードパパ」(運営:麦の穂、本社・大阪)である。

ビアードパパのシュークリーム

 シューはオーブンで焼き、クリームは店内で手作り。注文が入れば、目の前でクリームを詰める“実演販売スタイル”が特徴だ。甘い香りに誘われて、ついつい買ってしまったことがある人も多いだろう。「これまでのシュークリームと違って、シューがサクサクしていておいしい」といった声が広まり、店舗数は急速に拡大。1999年に福岡市で1号店を出してから、わずか2年の間に200店弱に拡大したのだ。驚くのは、まだ早い。2001年に海外進出をしていて、香港に1号店を出していたのだ。

 その後も、シンガポールやインドネシアといった東南アジアだけでなく、米国、中国、スリランカなど、もうイケイケどんどんな感じで、ヒゲのおじいさんが増えていった。現在は17カ国(地域を含む)に出店していて、店舗数は200店ほど。同社はその数に満足しておらず、将来的には50カ国まで増やすらしいので、シュークリーム発祥の地といわれているフランスも少し焦っているかもしれない(そんなこともないかもしれない)。

 それにしても、なぜシュークリーム専門店がこれほどまでに海外進出に成功したのか。その秘密を探るために、同社で海外事業を担当している山岡利光さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

海外でも売れている
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