今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
先週行われたスーパーチューズデー(2016年3月1日)、その後に続いたスーパーサタデー(3月5日)と、欧米メディアはまさに米大統領選の指名候補争い一色である。言うまでもなく、注目されているのは共和党の指名候補ドナルド・トランプである。民主党はヒラリー・クリントンが候補者になるとの見方が強い。
日本でもトランプの躍進は大きく取り上げられているため、著者も「トランプが大統領になったらどうなってしまうのか」と質問されることが増えた。
確かに米国でも、スーパーチューズデーの結果を受けて、共和党指名候補争いでトランプの勝利が現実味を帯びてきたと言われる。だがまだ大統領選の本戦(11月8日)に向けた道のりは長い。日本でもトランプ大統領が誕生したらどうする、といった記事やブログなどを見かけるが、さすがに少し気が早いと言える。そもそも党指名候補争いはやっと中盤に差し掛かったところからだ。
数字だけをみても、共和党で指名候補になるには全米で1237人の代議員を獲得する必要があるのだが、トランプは現時点で446人を獲得しているだけだ。それでも2位のテッド・クルーズ候補が獲得している347人より断然多いことは変わりないが(2016年3月8日現在)。
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