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» 2016年04月26日 08時00分 UPDATE

年間売り上げ100億円 なぜ売れ続ける「白い恋人」を作れたのか (1/4)

1日に90万枚を製造し、年間売り上げは約100億円。北海道のお土産売り上げランキングでは毎年のようにトップの位置にいる。そんな“お化け商品”白い恋人はどのようにして誕生したのか。石屋製菓の担当者から詳しい話を聞いた。

[鈴木亮平,ITmedia]

 北海道のお土産といえば「白い恋人」――。北海道定番のお土産品として不動の人気を誇る同商品は今年で誕生40周年を迎えるが、その存在感は全く衰えない。年間1000億円といわれる北海道のお土産市場において、年間で約100億円の売り上げを出し、北海道のお土産売り上げランキングでは毎年のようにトップの位置にいる。

 今回はそんな“お化け商品”がどのようにして誕生したのか、なぜ変わらず選ばれ続けるのか、白い恋人を販売する石屋製菓の担当者から詳しい話を聞いた。

photo 北海道のお土産市場で圧倒的存在感を出し続ける「白い恋人」

ホワイトチョコレートブームが誕生のきっかけ

 石屋製菓は、1947年に石水幸安氏が創業。もともとは駄菓子を開発・販売する会社だったが、徐々に国民の所得が上がるにつれ、消費者の嗜好は駄菓子よりも高級菓子へ移っていった。駄菓子事業が思うようにいかなくなり、高級菓子の事業へ方向転換することになったのだ。

 高級菓子作りを始めてから、さまざまな商品を開発していたそうだが、なかなかヒット商品を作りだすことができず、泣かず飛ばずの時期が続いたという。そこで同社が考えたのは、ホワイトチョコレートをクッキーで挟んだ商品、つまり「白い恋人」だった。

 「当時(70年代前半)、世間ではホワイトチョコレートが大流行していました。そこでは『手を汚さず、ホワイトチョコレートを上品に食べることができる商品を作れば売れるのではないか』と考えたのです」(同社)

 開発する上で、課題になったのはクッキーとチョコレートのバランスだった。2つを組み合わせた場合、どうしてもクッキーの味の方が強く出てしまうのだ。それでは人気のホワイトチョコレートの魅力を生かせない。

 ホワイトチョコレートの味と“ケンカ”せずに、うまく融合する商品を目指すため、選ばれたのがフランスの焼き菓子、「ラング・ド・シャ」だった。生地が薄いラング・ド・シャならクッキーの味が勝ってしまうことはない。また、さまざまなクッキーを試す中、食感などの面でも相性が一番良かったという。

 ただ、ラング・ド・シャは生地が薄いかわり、割れやすくデリケート。お土産品として致命的な欠点ももっていた。同社は、これを独自の製造方法により解決する。

 「通常、このタイプの商品を作るとき、重ねた2枚のクッキーの間にチョコレートを流しむという方法で作ります。しかし、クッキーよりもすこし大きめのチョコレートを作り、後でそれをクッキーで挟むという方法で作ることにより、通常よりもクッキーが割れにくい商品ができ上がるのです」

photo ホワイトチョコレートが少しはみ出る
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