2045年、人類はシンギュラリティを迎えるといわれている。ディープラーニングによりAIが発達し、センシングを含めたロボット技術が発達した時、人の仕事の大半がロボットに取って代わられるという話だ。
確かに、単純な事務作業なら、人はAIに勝てないだろう。過去の判例や診療成果など記憶力(=データ量の多さと検索の速さ)が勝負になる分野、弁護士や医師のような仕事も、AIを活用するようになるのではないか。力仕事はロボットスーツがサポートしてくれるはずだ。
では、ロボットにはできない仕事はないのだろうか。あるいは、人にしかできない仕事は残らないのだろうか。
カギは無意識にある。人が無意識のうちに行っている動作を、プログラム化することは(今のところ)できない。無意識を、あるいは小脳で起こっている入力→出力反応を解明できないかぎり、それをプログラム化することは、理論的に不可能のはずだ。
そんな無意識の反応が求められる仕事、人と人が接する仕事、接する中で無意識下で何かをインプットされ、それに対するアウトプットを返すような仕事、いわゆる閃きを求められるような仕事、人の気持ちの動きを気配で察して対応する仕事を、ロボットがこなせるようになるには相当な時間がかかるだろう。
いずれはPepperが飛躍的に進化して、目の前にいる人の仕草から、その人の心の動きまでを読み取れるようになるのだろうか。感情の動きは、感情を持たないロボットには感じ取ることができないと、今の時点では思う。そして、そこに人にしかできない仕事が残るのだとも思う。(竹林篤実)
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