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» 2016年08月12日 06時00分 UPDATE

長浜淳之介のトレンドアンテナ:てんやが天丼チェーンとして“唯一”全国展開できた理由 (1/5)

圧倒的なコストパフォーマンスの高さで人気を博しているてんや――。なぜ天丼チェーンとして“唯一”全国展開できたのか、そのビジネスモデルを解説する。

[長浜淳之介,ITmedia]

 「天丼 てんや」(以下、てんや)は首都圏一都三県を中心に、全国で直営152店、フランチャイズ28店、海外11店、計191店を展開しており、天丼で全国展開できた唯一のチェーンである。海老などの魚介や野菜を揚げた天ぷら5品がご飯の上にのった「天丼並盛」が、みそ汁が付いて500円(税込)。圧倒的なコストパフォーマンスの高さで人気を博している。

 近年は特に好調で、既存店の売上高は2012年が前年比102.2%、13年は同106.4%、14年は同108.1%、15年は同103.6%といった具合に4年連続で前年比プラスだ。今年の上半期も前年を上回るペースを保っている。

 既存店の平均月商が約2割、150万円近くも伸びた。東京五輪が開催される、2020年に300店を目標としており、積極的に出店を行っている。

photo 絶好調のてんや

 てんやを展開するテンコーポレーションは、89年に設立。同年、東京駅八重洲地下街に1号店をオープンした。10年からはファミリーレストランの「ロイヤルホスト」で知られる、ロイヤルホールディングスの完全子会社となっている。

 てんやはこれまで首都圏を中心に直営店を出してきたが、13年より、全国展開を目指してフランチャイズの募集を始めた。現在は17の都道府県に店舗を広げ、海外にはインドネシア、タイ、フィリピンに出店している。

 テンコーポレーションの用松(もちまつ)靖弘社長は、業績好調の理由について次のように説明した。

 「高齢化によって、リタイアした団塊世代のアクティブシニアが、どんどん街に出るようになったのが大きいです。それと、家庭で天ぷらを揚げなくなってきました。天ぷらは食べに行くもの、あるいはお店で買ってくるものといった意識が強くなってきています。海外から日本に来る観光客が増えていますが、日本食の代表はすしと並んで、天丼・天ぷらということで、インバウンドの効果も出ています」

 ただし、これらはあくまで外的要因である。売り上げの4割を占めるワンコイン天丼(並盛天丼)をいかにして生み出し、また、ブラッシュアップさせるのに、どう心血を注いだのか、てんやのオンリーワンのビジネスモデルを解説していきたい。

photo てんや売上高 推移
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